フジテレビのあまりの低迷ぶりに、業を煮やした系列のカンテレ(関西テレビ)が、フジに三くだり半を突きつけるような方針に打って出ることがわかった。在京キー局のフジに頼らず、自社制作番組を増やすのだ。



 今春の改編で、カンテレは手始めに、火曜日を重点キャンペーン日に指定。「火曜は8ppy!?カンテレチューズデー」をキャッチフレーズとして、午後7時から午後11時30分まで、5番組すべてを自社制作にすることを決めた。

 現状、フジの火曜夜は、7時台がくりぃむしちゅータカアンドトシらがレギュラーの『今夜はナゾトレ』、8時台がオードリー若林正恭が司会の『潜在能力テスト』、9時台が「火曜ドラマ」(カンテレ制作)、10時台が『有吉弘行のダレトク!?』(同)、11時からドキュメンタリー番組『セブンルール』(同)を放送している。

 一方、カンテレは7時台に、東野幸治らが司会の『ちゃちゃ入れマンデー』(同/関西ローカル)をオンエア。8時以降は、フジと同じラインナップになっている。4月からは、8時台のフジ制作番組『潜在能力テスト』を打ち切って、関西ローカル番組『やすとも・友近のキメツケ! ※あくまで個人の感想です』をスタートさせる。
9時台以降はもともと自社制作であるため、変更はない。これにより、火曜の夜はキー局のフジ制作番組を一切放送しない事態となる。

「ローカル局が、特定曜日のプライム帯すべての番組を、在京キー局に依存せず、自社制作にするのは異例。カンテレにとっては、開局60年で初めてのことだそうです。フジが制作する番組を放送して、低視聴率に沈むくらいなら、自社で番組をつくっていこうという意思表示でしょう。制作費との兼ね合いもありますが、今後もその傾向は強くなるでしょうね。
ある意味、フジに三くだり半を突きつけたようなものです」(スポーツ紙記者)

 このような流れになると、フジはキー局として、面目丸潰れになりそうだが、案外そうでもないという。

「フジは現在でも火曜夜は9時以降、3番組連続でカンテレ制作の番組を放送しています。今後もカンテレのいい番組があれば、フジで放送していくのではないでしょうか。その方が制作費もかからないし、フジにもメリットがありますから」(同)

 そのうち、気がついたら、「フジの多くの番組が、カンテレ制作になっていた」なんてことにもなりかねない!?
(文=田中七男)