吉高由里子が主演するドラマ『正義のセ』(日本テレビ系)の第3話が4月25日に放送され、平均視聴率10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.4ポイントアップしました。



 平均視聴率がここに来て2ケタに戻り、再び調子を取り戻しました。“悪を成敗”といった内容のドラマは老若男女にウケるジャンル。それに、吉高由里子に豪華な脇役の面々ですから、高視聴率を維持してもらいたいものです。

 では、今回もあらすじから振り返っていきましょう!

 (過去の放送回レビューはこちらから)

■結婚詐欺師に手を焼く凜々子!

 竹村凜々子(吉高由里子)は同期の検事仲間と共に婚活パーティーに参加する。「恋人・優希(大野拓朗)がいるのに」と、いやいや付き合う凜々子に、「新しい出会いに損はない」と検事仲間は諭す。そこへ優希から呼び出しの電話が掛かり、凜々子はすぐさま優希の元へ。

久しぶりのデートを楽しんだ。

 恋が順調に進む中、凜々子は初めての結婚詐欺事件を担当することに。

 被害者の沢井七美(磯山さやか)は、婚活パーティーでIT企業社長の藤堂(三浦貴大)と出会い、結婚の約束まで交わしていた。だが、藤堂から「事業のトラブルで金が必要になった」と言われ、資金援助のつもりで1,000万円を渡したところ、音信不通になってしまったという。しかも、藤堂から聞いていた住所も会社経営も嘘で、予約していた結婚式場も藤堂によってキャンセル済みに。話を聞いた凜々子は「女性の弱みに付け込むなんて絶対許せない」と激怒した。


 被疑者の藤堂は偽名で、本名は鈴木正夫という男だった。鈴木は容疑を否認し、七美からの資金援助の金も受け取っていないと主張。その上、涙ながらに七美を愛していたと語った。警察も決定的な決め手となる証拠がつかめていないため、鈴木はまだ逮捕されておらず、凜々子は「絶対に証拠を見つけてやる」と意気込んだ。

 凜々子は担当の検事事務官・相原勉(安田顕)とともに、金を騙し取った証拠を見つけようと調査し始める。だが、一向に見つからず途方にくれるばかり。


 一方、恋愛では優希とのデートで訪れたレストランで、突然のプロポーズを受ける。嬉しさと驚きから戸惑う凜々子だったが、目の前の席に座っている鈴木を発見。なんと、違う女性と食事を楽しんでいたのだ。事件のことでいっぱいになった凜々子は優希を置いて鈴木を尾行。相原に電話し、すぐに警察に連絡させた。

 翌日、検事局で凜々子は再び証拠探しを始める。
すると、運動嫌いの鈴木がスポーツジムに通っていることを知る。おかしいと思い2人はスポーツジムを調べると、鈴木はロッカーに金を隠していた。

 この事実がもとで、鈴木はついに自白し、凜々子は七美から感謝される。そして、プロポーズの方はというと、なんと優希から別れを告げられてしまうのだった、というのが第3話でした。

■“ラッキーガール”すぎる凜々子!

 さて、今回は結婚詐欺事件がテーマ。結婚詐欺というのは平気で嘘をつく被疑者が多く、決定的な証拠がないと起訴できないそう。

同僚検事たちも「起訴したいなら証拠を見つけろ」と凜々子に釘を刺し、探し始めるんですが、まあそんな簡単には見つからない。簡単に見つけられたら、警察いらないですからね。

 しかし、なんと都合よく、訪れたレストランに被疑者が! おまけに違う女性と楽しい時間を過ごしているという……。凜々子は、なんという幸運の持ち主なんでしょうか。

 このシーンが起承転結でいう転の部分となっているのですが、これが遅すぎて、そのあとの結の部分があっさりと終わるという残念な出来。これでは、凜々子お得意の、感情移入している被害者への悲痛な叫びが軽く感じてしまう。
結婚詐欺という難しい事件を扱った意味がありません。

 確かに主人公だけに焦点を絞ったご都合主義的なドラマは、一本調子で見やすく万人ウケするかもしれません。しかし、視聴者もバカではないので、そろそろ飽きてくるでしょう。『HERO』(フジテレビ系)や『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)のようにヒットさせたいなら、足並みそろえて相原とともに戦う、もしくは、同僚検事といった面々をもっと凜々子と絡ませ、凜々子の成長する姿を見せた方が良いのではないでしょうか。

■家族に事件内容を話すのは守秘義務違反!?

 今回もうひとつ、気になった点があります。それは、家族との団らんのシーン。ここで凜々子は家族に今回の結婚詐欺事件内容を話し、家族も凜々子の感情に同調するのですが、「これは守秘義務違反では?」と思ってしまったのです。

 検事は国家公務員。公務員には国家公務員法第100条で守秘義務があります。条文には「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」と書かれています。

 このように書かれているにもかかわらず、凜々子は身内にペラペラと話すのです。

 もし、事件について身内が漏らしてしまったら……。もし、被疑者にとって事件が冤罪だったとしら……。大変なことになっちゃうよ、凜々子。

 法律を守らなければいけない検事が違反とあれば、ご都合主義の内容よりもひどいですし、悪人に裁きを下したとしても説得力に欠けるような気がしちゃいます。

■早くも恋愛面は干物化!?

 第3話では、プライベート面で彼氏と別れを迎えてしまうという悲しい展開に。それもお互いあっさりと別れを選んでしまう。あんなにラブラブだったはずなのにです。

 この展開に「えっ? 早くない?」と、あ然としてしまいました。だって、放送前には「恋もちゃんとする!」と謳っていたはずなんです。

 これで恋愛シーンは終わりなんでしょうか? いやいや、そこは続いてほしい。凜々子は検事として表向き頑張っているじゃないですか。それなのに、プライベートが干物化となったら、いくらなんでもかわいそうすぎます。

 今後も恋愛シーンがあってほしい……。あるとしたら同僚……。えっ!? 三浦翔平? いや安田顕? もしかして、あの凜々子への2人の態度は好きの表現なのか。「いやよいやよも好きのうち」と言いますからね。凜々子の男女関係にも注目していきましょう。

 以上、第3話のレビューでした。

 第4話は、若者がバイクで老人を死亡させたという交通事故案件を担当し、“名探偵・竹村凜々子”が炸裂するよう。どんな、江戸川コナンばりの名推理を見せてくれるのか、期待して放送を待ちましょう!

(文=どらまっ子KOROちゃん)