どっちも怪しくなってきた。

 女子体操のリオオリンピック代表・宮川紗江選手が、日本体操協会の塚原千恵子女子強化本部長と、その夫である塚原光男副会長のパワハラを告発。

その悪役然とした風貌とキャラクター、宮川選手の会見の内容を「全部ウソ!」と断じた光男副会長の傲慢な態度から、テレビも世間も塚原バッシング一色となっている。

 そんな中、テレビに引っ張りだことなっているのが、森末慎二、池谷幸雄の元体操五輪体操メダリストの2人。

「池谷は、自身の池谷幸雄体操倶楽部で有力選手を育てている立場もあり、当初は歯切れが悪かったものの、宮川選手と速見コーチのことを思って突如号泣。嗚咽して同情する姿が話題になって以降は、堰を切ったように塚原批判を展開するようになりました。森末も、『30年前からの体操あるある』だとして、塚原夫妻の批判を繰り返し、勢い余って、かつてロス五輪をともに戦った、現体操協会副会長の具志堅幸司を『嫌い』と明かすなどノリノリ。批判的なことを言えばいうほど番組からお呼びがかかるようになるようで、その発言は過激さを増す一方です」(芸能記者)

 3日には、パワハラ問題でTBS系『ビビット』で初共演。
タッグを組んで塚原千恵子女子強化本部長にかけられている引き抜き疑惑について、

池谷「僕ら(指導者)は夢を砕かれるんです」

森末「御法度。あるコーチに言わせれば、選手を育てる気力がなくなってしまいます」

池谷「普通、人間としてできないはずなんです。人間としてですよ、これ」

 と強烈な人格否定までを大展開した。

 だが、ここまでくると、「でも、それって“選手ファースト”ってよりも、“指導者ファースト”の発言になってないか?」と、さすがにバランスを欠いているのではという批判も出始めている。

「この2人は、ともに現役の体操協会理事。そういう意味では、自分の体操界での立場を顧みぬ、勇気ある告発という見方もできるかもしれませんが、本当に体操界のことを思うなら、宮川選手より先にもっと大きな声を上げて、権力の一極集中状態を改善しようという動きがあって然るべきでしょう。
いまになって正義ヅラしていますが、結局、宮川選手が言ってくれたから言える、ということですから、18歳の少女の尻馬に乗っているにすぎません。しかも、理事ならば塚原体制を作ってきた責任の一端もあったはずで、塚原批判の前に、むしろ彼らから宮川選手への謝罪があってもいい。しかし、そこに彼らにそんな当事者意識はなく、『僕らが言っても聞いてもらえない』『握りつぶされてきた』などと被害者意識の強い言い訳ばかり。もちろん、塚原夫妻に問題も多く、この機会に膿を出し切るべきですが、2人の発言には思い込みも多く、朝日生命体操クラブの元選手らから、『ちゃんと取材してから話してほしい』という声も出てきました」(スポーツ紙記者)

 池谷も森末も、かつてはタレント業が好調で、池谷はドラマにも出演し芸能人との浮名も流して人気者になり、森末はレコードデビューも果たすなどマルチに活躍。近年は、ほとんどテレビで姿を見る機会がなくなっていたが、池谷は指導者として活動中で、森末は宮古島でのセカンドライフを満喫中だった。

 そんな2人が、表舞台で注目される快感を久々に味わい、少し気持ち良くなってしまっただけなのもしれない。