昨年、日本のとある空港で、乗客から預かった手荷物を丁寧に扱う職員の様子をとらえた動画が海外で「スゴイ!」と話題となった。日本人にとっては当たり前の光景だが、海外の空港では預けた手荷物が破損していたり、行方不明になってしまうということも少なくない。



 そんな中、中国のネット上で、ある決定的瞬間をとらえた動画が話題となっている。

 昨年末、旅行情報サイト「十六番_旅行者社区」に投稿されたその動画には、乗客から預かった手荷物をコンテナへ移し替える空港スタッフの様子が収められていたのだが、問題はそのやり方だ。中東系と思われる4人の男たちはベルトコンベアから流れてきた荷物を手に取ると、次々と乱暴にコンテナへ投げ入れていたのだ。

 撮影されたのは香港国際空港で、動画が拡散されたことで空港側は公式に謝罪文を発表し、担当部門に対し指導を行ったとしている。すでに動画の再生回数は600万回を超えており、現在も拡散され続けている。

 荷物のこうした粗暴な扱いは、中国の空港ではよくあることだ。
昨年12月、江西省の南昌昌北国際空港でも、空港スタッフが手荷物を乱暴に取り扱う様子が乗客によって撮影され、ネット上で拡散したばかり。さらに今月2日には、山東省青島の空港で、乗客が預けていたスーツケースが大きく破損していたため賠償を要求したところ、航空会社からはわずかな金額しか提示されなかったことが、SNS上で話題となっている。

 しかし、今回撮影されたのは香港ということで、利用者の落胆も大きいようだ。湖北省武漢市に住む日本人男性はこう話す。

「中国の一部ではありますが、世界の評価ランキングでも上位の香港空港はまだマシだと思っていたのですが、『香港空港、お前もか』といったところ。私は日本との行き来によく飛行機に乗りますが、中国の空港は手荷物の扱いがひどいので、預ける手荷物があるときは最寄りの空港ではなく、わざわざ6時間ほどかけて陸路で香港空港まで行き、そこから飛行機に乗っていたが、それも意味がなさそう」

 中国・香港の空港を利用する際は、手荷物は預けないようにするのが賢明なようだ。


(文=青山大樹)