女性アイドルブームが一段落し、グループの解散や活動休止、メンバーの卒業などが次から次へと発表される昨今。業界内では、アイドルの「セカンドキャリア」や「キャリアアップ」にも注目が集まっている。



「所属していたグループが解散してしまった後でも、アイドル活動を続けたいということで、別のグループのオーディションを受けるケースは多い。また、現役でグループに所属しているアイドルが、もっと有名なグループのメンバーになるべく、オーディションを受けるケースもあります」(エンタメライター)

 現役アイドルのオーディション参加をめぐっては、ちょっとした悶着となることもある。

「『おやすみセカイ』というグループのメンバーが、指原莉乃プロデュースアイドルグループのオーディションに参加し合格となったものの、事務所同士の話し合いがまとまらず、グループに入れなかったとツイッターで明かしました。まさにキャリアアップを狙った行動だったと思うのですが、事務所に所属した状態で別の事務所のオーディションを受けるのはご法度ですから仕方ないでしょう」(芸能事務所関係者)

 そんななか、多くの元アイドルたちがキャリアアップの場として憧れているのが、ハロー!プロジェクトのアイドルやタレントたちが所属するアップフロントグループだ。

ハロプロでいうと、アンジュルムの佐々木莉佳子は宮城県気仙沼市の『SCK GIRLS』の元メンバー、同じくアンジュルムの川村文乃は高知県の『はちきんガールズ』の元メンバーです。それぞれ元所属グループを卒業してから、ハロプロ研修生となり、アンジュルムに加入しました。


 ほかにも、つばきファクトリーの小野田紗栞は静岡のローカルアイドル『ぷりんせす♪りぼん』としての活動歴があるし、BEYOOOOONDSの高瀬くるみ、岡村美波、清野桃々姫もアップフロントに入る前にアイドルとして活動歴がある。また、モーニング娘。’19の石田亜佑美森戸知沙希(カントリー・ガールズ兼任)、Juice=Juiceの稲場愛香、カントリー・ガールズの小関舞も、芸能活動歴がありますね」(前出・エンタメライター)

 さらに、ハロプロではないが、同じアップフロントグループのアップアップガールズ(2)にも複数の“元アイドル”が所属。先日、発表された新メンバー3人の中には、大手事務所に所属していたメンバーもいる。

「昨年解散したソニー・ミュージックアーティスツのAISというグループにいた島崎友莉亜が、アプガ(2)の新メンバーオーディションに合格。
大手事務所のアイドルグループから、また別の大手事務所のアイドルグループに入ったということで、業界内でも話題になっています」(前出・芸能事務所関係者)

 どうして“元アイドル”たちは、アップフロントに入りたがるのだろうか?

「ハロプロのブランド力は大きい。そして、アップフロントのアイドルは、生歌でしっかりダンスを踊っていて、スキルが高い。その点で、アイドル界でリスペクトされる存在であるのは確か。よりハイレベルな場で活動したいと思うアイドルたちが、アップフロント系のオーディションを受けるというわけです」(音楽業界関係者)

 さらに、アップフロントの待遇の良さも、憧れられる要素だという。

「大スターのような高給がもらえるわけではないですが、それなりの給料がもらえて、しかもダンスや歌のレッスンもしっかり受けることができる。毎週末にはコンサートやイベントがあるし、ラジオなどのレギュラー番組も多い。
現場にはもちろんマネージャーが付くし、ケータリングも出てくる。メジャーなフィールドで充実した活動ができるということは、アイドルたちにとってみれば、まさに夢のような話。しかも、ハロプロを卒業した後も、基本的には事務所に残って、女優やタレントとして活動できるというメリットもあります」(同)

 芸能界では珍しい“ホワイト企業”といえそうなアップフロント。今後も、多くの元アイドルたちがキャリアアップを目指して、その門を叩くこととなりそうだ。