昨年まで5年連続で年間視聴率“3冠王”に君臨してきた日本テレビが、いよいよヤバい状況になった。

 5月第4週(5月20日~26日)の週間視聴率において、無冠に終わったのだ。

同週の時間帯別視聴率は、全日帯(午前6時~深夜0時)が7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、ゴールデン帯(午後7時~10時)が10.7%、プライム帯(午後7時~11時)が10.3%でいずれも2位。日テレが週間視聴率で無冠だったのは、昨年12月3日から9日以来、24週ぶりの非常事態。

 5月第4週のすべての時間帯で首位に立ったのはテレビ朝日で、全日帯7.7%、ゴールデン帯11.6%、プライム帯12.0%で、日テレに大差をつけた。テレ朝は全日帯では7週連続でトップに立っており、これは開局以来初の快挙だという。

 同週、日テレがテレ朝に敗退した最大の要因は、“ドラマ対決”での惨敗であろう。プライム帯の日テレの連ドラは、中条あやみ水川あさみ主演『白衣の戦士!』(22日)が7.2%、古田新太主演『俺のスカート、どこ行った?』(25日)が7.3%、原田知世田中圭主演『あなたの番です』(26日)が6.4%とボロボロ。


 一方のテレ朝は、開局60周年記念5夜連続スペシャルドラマ『白い巨塔』(V6岡田准一主演)を22日から26日まで、午後9時から放送。これが22日=12.5%、23日=11.8%、24日=12.2%、25日=13.5%、26日=15.2%と好調。沢口靖子主演『科捜研の女』(23日)も12.2%と安定した視聴率をマークし、日テレと明暗を分けた。

 昨今、日テレは鉄壁を誇ってきた日曜ゴールデン帯の『ザ!鉄腕!DASH!!』『世界の果てまでイッテQ!』の牙城が崩れ、テレ朝の『ナニコレ珍百景』『ポツンと一軒家』に敗れることが増えたが、バラエティだけが悪いわけではない。ドラマ、情報・報道番組も立て直していかないと、6年連続視聴率3冠王はないだろう。

(文=田中七男)