テレビ東京『Iターン』

 8月23日に放送れさた『Iターン』(テレビ東京系)の第7話。それにしても、このドラマと『あなたの番です』(日本テレビ系)と『劇場版 おっさんずラブLOVE or DEAD~』。

もはや、田中圭を見ない日はない印象だ。あまりにも忙しそうで、ちょっと心配になる。

第7話あらすじ 力なくスパイ続行を選ぶムロ

 岩切組と竜崎組の全面戦争が現実味を帯びる阿修羅市。宣告社では、柳直樹(渡辺大知)が青葉銀行支店長・瀬戸川達郎(手塚とおる)とのアポを取ることに成功する。しかし、いざ面会しても瀬戸川は狛江の話をまともに聞こうとせず、なんの成果も上げられないまま面会は終了した。

 そんな中、狛江の妻・敦子(渡辺真起子)が突然、東京からやってきた。数日間滞在するというが、狛江は男とデートする敦子を目撃! 相手はナンバー1ホストの玲二(染谷俊之)で、2人は「HOST CLUB SHARK BOYS」というホストクラブに入っていった。

調べると、ここは竜崎剣司(田中圭)が経営する店のようだ。

 その後、いつものように竜崎組にチラシを納品しに行った狛江は「妻には手を出さないでください」と頭を下げたが、竜崎は「ならば、岩切組の情報を持ってこい」とプレッシャーを掛ける。

 狛江がSHARK BOYSに行くと、敦子は玲二と楽しそうにお酒を飲んでいた。「帰ろう」と促す狛江と敦子は口論になったが、その後「普通の主婦に戻るわ」と席を立った。すると玲二は豹変し、68万円という法外な金額を敦子に請求する。狛江は玲二に「妻にもう構わないでください!」と土下座。

玲二が狛江の頬を叩いていると、そこに岩切組長が登場し、玲二たちを殴り倒す。「家族大事にせいよ」と、岩切は狛江と敦子を店から逃した。

 岩切に黙ってスパイを続けることに罪悪感を覚えた狛江は「スパイをやめさせてください!」と竜崎に土下座。竜崎は「お前が一番欲しいものと引き換えでもか?」と部屋の奥から瀬戸川支店長を呼び込み、瀬戸川は「竜崎社長のお願いとあればウチの広告、宣告社さんお願いしてもいいですよ」と一言。あらためて竜崎が「スパイを続けるか?」と問うと、狛江は力なく「はい……」と返答した。

 今回は、Twitterでムロツヨシが発信した解説に沿ってドラマの見どころをさらっていきたい。

主役・狛江を演じるムロは、第7話放送翌日にこんなツイートを発信している。

「日に日に怖くなる竜崎さん、日に日に怖いでない何かの組長、変わり始める狛江で、ございます」

「日に日に怖いでない何かの組長」、つまり古田にムロは惹かれつつある。6話にてムロは居酒屋のぼったくりに遭い、窮地に陥った。すると、古田は1人でわざわざ店に駆けつけ、「ワシの舎弟からぼったくるとはええ根性しとんな!」と居酒屋店員を土下座させている。

ムロ「組長、ゆうべはありがとうございました」

古田「もう、ええて」

ムロ「僕のためにわざわざ店まで来ていただいて……」

古田「おどれが無銭飲食でしょっぴかれたら、この子(チワワの昌三さん)の散歩に困るじゃろが」

 古田が去った後も、昌三さんを撫でながらムロはつぶやいた。

「組長がわざわざ、僕のために来てくれたんですよ~。

昌三さ~ん。優しいですね~。それなのに、僕は組長を裏切るようなことをしてしまい……」

 今回はムロの妻がぼられた。なんか、ムロは毎回ぼったくられている気がする。このピンチに、やっぱり古田は駆けつけた。古田にたまらなく情が移ったムロは、岩切組のスパイを自分に強いる田中に土下座する。

ムロ「エスをやめさせてください、もうスパイは嫌なんです!」

田中「岩切に情が移ったのか?」

ムロ「はい。組長を裏切れません!」

 ムロは「変わり始める狛江」ともツイートしている。妻がホストクラブで法外な金額を請求された瞬間、持っていた鞄と上着を床に叩きつけるムロ。ついにキレた! ……じゃなくて、土下座するのだ。キレるのは簡単だけど、それでは大事な人は救えない。「浮気をしている」と自分に疑いをかける妻を思い、頭を下げるムロはカッコ良かった。

話数が進むにつれ、実はムロの男気は増している。

『劇場版 おっさんずラブ』と竜崎組長、両極端を演じる田中圭の振り幅

「日に日に怖くなる竜崎さん」とは、まさにだ。渡辺の元にムロの借金返済を催促する郵便物を送付した田中。心配で渡辺がやって来たら、ヤクザの顔を一切出さず、低姿勢で笑顔のまま紳士的に対応。“いい人”の仮面をかぶりながら、巧妙にホストクラブ通いを勧めるのだ。さらに、岩切組のスパイをやめたいと懇願するムロに、青島銀行の広告の仕事をニンジンとしてチラつかせる策士っぷり。あの手この手を使い、スパイ・ムロの骨をしゃぶり尽くそうとする。戦争に備え、岩切組がロケットランチャーを仕入れるとの情報を知った途端、「それから(笑)!?」とテンションが上がる田中の姿はかわいらしく、ちょっと笑ってしまったのだが。

 このドラマは、ムロ、古田、田中の3人が主役だ。特に、『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』が公開されたばかりの田中。あちらとこちらとのギャップは鮮やかで、タイミング的に注目に値する。

(文=寺西ジャジューカ)