シリーズ最新作は波動を込めて作成したオリジナル特製ステッカー「宇宙パワーヒランヤ」付き。

 累計300万部を突破した大人気シリーズ「Mr.都市伝説 関暁夫の都市伝説」の最新作『Mr.都市伝説 関暁夫の都市伝説7 ゾルタクスゼイアンの卵たちへ』(竹書房)が2019年12月に発売され、各所で話題を呼んでいる。

 かつて“身近で本当に起きた話”として、口伝えでまことしやかに語り継がれ、いまもネット空間を中心に増殖し続けている都市伝説だが、今回は現在の「都市伝説再ブーム」の火付け役である著者のMr.都市伝説こと関暁夫にインタビューを敢行。

 代表番組『やりすぎ都市伝説』(テレビ東京)の裏話から、お笑いコンビハローバイバイでの活動を経て、都市伝説テラーとなった関の芸人観まで、大いに語ってもらった。

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――06年に出版され、80万部以上を売り上げたシリーズ第1弾『ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説 信じるか信じないかはあなた次第』(竹書房)と比べると、「A.I.と人類のルーツ」を紐解く7巻は完全にテクノロジーの話が中心になっていて、都市伝説もスケールアップした印象です。

関暁夫(以下、関) 今回の第7弾を読んで、テクノロジーの話として理解してもらえるということは、僕としてはすごくうれしいことなんですよ。1巻を出した06年から時代が大きく変わってきて、今まで言ってきたことがどんどん現実になってきた。まだシリーズ第5弾、第6弾の段階では、みんな理解できていなかったんだよね。

当時はイーロン・マスクなんて誰も知らなかったから。だけど、バカにしていた人たちも認めざるを得ないような状況になった。いまだに「宇宙の時代ですよ」と言ってもポカンとしちゃう人たちもいるけど、特に10代~20代の若い子たちはだいたい理解できていて、もう柔軟に対応できているでしょ。

——本書にはスマホのカメラを表紙にかざすとAR動画が展開されたり、途中で文字の方向が上下逆転して、本を回転させたりといった仕掛けもありますね。

関 パソコンとは違う、本というアナログなものを通して、宇宙と繋がる第七感とされるものの思考や感覚の開きのきっかけにしてくださればなと。こういう仕掛けは第4弾から始めていることで。

右脳から左脳、左脳から右脳、それを超えた脳外記憶というものを取り戻すためには、本の常識を超えたところでのアクションや色んな創意工夫が必要なわけ。

——これまで都市伝説に興味がなかった読者でも、7巻から読んでついていけるでしょうか?

関 1冊書くたびに、初めて手にする人でも読みやすい環境にはなっているとは思う。いろんなところで共感できるような点が、生活の中でたくさんあるから。だけど、時代の価値観に対応できていない人が読めば、それはやっぱり理解できない。時代の価値観というものを理解できている人なら、7巻からでも読みやすいと思うよ。

Mr.都市伝説・関が熱弁「物質的価値観からの解放と精神テクノロジー」の時代…そしてお笑いもちゃんとやっていた!!
マイクロチップが埋め込まれた関の左手。

 ——シリーズ最新作では我々がA.I.によって作られた世界にいるとする「シミュレーション仮説」から、謎の遺跡「ギョベクリ・テペ」まで、縦横無尽の都市伝説が紹介されていますが、関さんはこうした都市伝説の情報をどうやって集めているんですか?

関 世間のイメージでは「ネットの情報とかをめっちゃ見ているんだろうな」って思われがちかもしれないけど、真実というのはその場で体感した人のみのもの。真実を知りたければ現場まで行くしかない。

——19年末に放送された『ウソかホントかわからない やりすぎ都市伝説2019冬』(テレビ東京)では、「ヒューメリアン(地球人と宇宙人のハーフ)」の女性を取材されたことでも、話題になりましたが、実際に現地に行って取材をしながら、新しい情報を得ていくんですね。

関 こっちのアンテナと向こうからのフィーリングというか、呼ばれたところに全部行くんだけどね。

——そうなんですね。

関 あのね。

今の「そうなんですね」というのは、物質的な価値観上においての読み取り方だから。精神テクノロジー文明の時代なんだから、“呼ばれたところ”と言っても本当に精神的なもので読み取らないといけないわけ。「呼ばれたところに行く」というのも精神的な解釈で、読み取ってください。

——うーん、すみません。難しいですね……。

関 それだけ心の教育が必要とされているんだよ。

心で頭をつくって会話を始めてごらん。人間の内面性・精神性というものがテクノロジーでどんどん可視化されてくると、『頭で聞くな、心で聞け』ということが当たり前になってくるよ。精神を研ぎ澄ませて、呼吸を整えて心で人の話を聞くように。そして、どれだけフラットにシンプルに伝えられるかということを考えていくわけ。そうして人が集まってきた時に、自身の功績というのが認められてくるから。やりがいというものはそこにあるんだね。

——なるほど……。ところで、関さんの登場以降、YouTuberなどの若い都市伝説テラーも増えているようですね。関さんが19年末に始めたYouTubeチャンネル「Mr.都市伝説 関暁夫の情熱が止まらない」も、すでに登録者数23.9万人(1月末時点)に到達するなど、都市伝説界隈はさらなる盛り上がりを見せていますね。

関 都市伝説というのが、ひとつの文化になったとはよく言われる。ただ、そこから次のステージにどんどんいかなきゃいけないんじゃないのかな。誰でも配信できる時代は、今までタレントやテレビ局が持っていた責任を、発言ひとつに対しても背負わされるわけだからね。

Mr.都市伝説・関が熱弁「物質的価値観からの解放と精神テクノロジー」の時代…そしてお笑いもちゃんとやっていた!!
『やりすぎ都市伝説』(テレビ東京)は、前例のないものに対しても、しっかりと踏み込めるため刺激が強いものになっているという。

——ところで、ずっと気になっていたのですが、09年にお笑いコンビ「ハローバイバイ」を解散した後も、関さんは吉本興業に所属していますが、普段は芸人としての活動はしているんでしょうか?

関 いや、劇場も全然出ているよ! いろんなところで自分のトークライブをしたり、(オール)阪神師匠の新喜劇で大阪のなんばグランド花月に呼ばれたり、そういうこともやっているよ。

——すみません。都市伝説テラーのイメージが強いので、お笑い芸人としての活動はあるのかなと思いまして……。

関 あのね、お笑い芸人といっても、こっちは都市伝説というエンターテイメントを伝える意味での芸人だから! 人の感受性というものをくすぐって、怖いとかおもしろいとか感情を動かすことをやっている人たちが芸人・演芸者でしょ? お笑い芸人=漫才だけじゃないからね。

——なるほど。えっと、それでは最後もお笑いの質問をしたいんですが……。

関 お笑いの話に食いついちゃったか(笑)。

——芸人としての関さんは第5世代に分類されるそうですが、いわゆる第7世代が活躍する今のお笑いに関してはどんな印象をお持ちですか?

関 俺はお笑いに対して語れる身分じゃないけど、お笑いも人それぞれの感受性じゃん。自分自身も好き勝手やっていただけだし、いま若い子たちがやっていることに対して、別に俺が言うことないんだよね。〇〇世代なんてパッケージのひとつであって、見ている人は何世代だなんてこだわらず見ているはずだし、その瞬間におもしろいやつが見た人の記憶に残るんだから。でも、笑いというものが広い領域に対応できるようになって、共鳴し合うということが始まっているんじゃないかな。自分も頑張りますよ。第5世代なのか第6世代なのかわからないけど。芸人も生涯の道だからね。

 

●Mr.都市伝説 関暁夫(みすたーとしでんせつ せき・あきお)
1975年6月21日生まれ、東京都出身。「スティーブン・セキルバーグ」として、都市伝説をテレビやラジオなどの番組、さらにイベントや舞台で語る「都市伝説テラー」。自由が丘で「セキルバーグカフェ」も運営中。