志村けん

 日本のみならず世界中を混乱に陥れている新型コロナウイルス騒動が、ついに日本の芸能界を襲った。志村けんが新型コロナウイルスの陽性だったことが明らかになったのだ。

所属事務所の発表によれば、重症のために感染症の専門病院に入院したものの、容体は安定しているそうだ。しかし、お笑いタレントとしては重大な局面を迎えている。

 それは突然の発表だった。志村が所属するイザワオフィスが3月25日、公式HPに「弊社所属タレント 志村けんの健康状態について」という文面を掲載。新型コロナウイルス検査で陽性が確認されたことを公表したのだ。志村は70歳になった今も、『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)という人気番組を抱えており、『バカ殿様』(フジテレビ系)も不定期で継続中。

だが、本人がとりわけ力を入れているのが、深夜のコント番組だ。お笑いに詳しいフリーライターがいう。

「『志村どうぶつ園』では、好々爺のような雰囲気を漂わせる志村ですが、本人はお笑いやコントへのこだわりが極めて強く、自身が主宰、主演する舞台『志村魂』は2006年からライフワークとして続けていますし、数年前にはNHKでもコント番組『となりのシムラ』に挑戦しました。そんな志村のただ1本のレギュラーコント番組が深夜の『志村でナイト』(フジテレビ系)です。最近は千鳥の大悟がお気に入りで、志村の寵愛を受ける“志村ガールズ”とともに、相も変わらずバカバカしくて笑えるコントを披露しています」

 今やお笑い番組は、ひな壇で語るトークバラエティが主流で、コント番組は絶滅寸前。生粋のお笑いファンにとっては寂しい限りだが、頼みの綱の志村に深刻な体調不安が伝えられたことで、局面が大きく動く可能性が出てきた。

キー局関係者がいう。

「フジにとって志村は、『ドリフ大爆笑』にはじまり、『だいじょうぶだぁ』や『バカ殿』シリーズなどで、フジ黄金期の一翼を担った大貢献者ですから、邪険にはできません。ただ、志村のコントは深夜番組にしては制作費がかかりますし、下ネタやセクハラなど、昭和テイストを色濃く残した志村の芸風は、コンプライアンス的にも厳しく、フジとしては切りたいのが本音です。

 この深夜の“志村けん枠”は、番組名がコロコロと変わることで知られていて、ここ数年は1年前後で番組名が変わるローテーションになっており、現在放送中の『志村でナイト』も1年半続いているので、そろそろ潮時。番組名を変えるタイミングで、体調面を理由にいったん休止を持ちかけ、そのままフェイドアウト……というシナリオは十分あり得るでしょう」(キー局関係者)

 志村の年齢を考えれば、ここまで冠番組が続いてきたことが奇跡。“変なおじさん”が“アイ~ン”“だいじょうぶだぁ~”と言いながら帰還することを望みたいが……。