LiSA

 12月30日に放送された『第62回輝く!日本レコード大賞』(TBS系)は、大ヒット中の映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌である、LiSAの『炎』が大賞を受賞した。

「今回LiSAが受賞したことで、5年連続でソニーがレコ大を受賞したことになるんですよ。

もはや今のレコ大は“ソニー大賞”といっても過言ではないですね」(レコード会社関係者)

 2000年代前半は浜崎あゆみが3連覇をし、倖田來未も大賞を受賞するなど、レコ大の主役は“エイベックス系”のアーティストだった。2000年代後半になると、EXILEが3連覇、2010年代前半はAKB48が2連覇、さらにその後三代目 J Soul Brothersも2連覇しており、“LDHか48グループか”という時代に移行。そして、2016年の西野カナ、2017・2018年の乃木坂46、2019年のFoorinときて、2020年のLiSAで、5年連続ソニーミュージックレーベルの楽曲が大賞を受賞した。

「ここ20年くらいのレコ大は“癒着体質”が指摘されていて、同一事務所、同一レコード会社から継続して受賞者が出やすい傾向があったのは事実。今はソニーとの関係性が強くなっているということでしょう。
 背景に政治的な動きがある可能性も高いのですが、同時にエイベックスなどが苦戦する中、ソニーは上手く音楽くビジネスに取り組めているという証でもある。

坂道シリーズ、米津玄師、そして『鬼滅の刃』というかたちで、市場を独占するようなアーティストを取り込めているからこその結果です。現状、力を持ちすぎていて、業界全体がソニーに従うほかないような状況になっています。レコ大がこうなるのも仕方ないことです」(同)

 また、今回の最優秀新人賞は、吉幾三の弟子である真田ナオキが受賞。その発表の瞬間には、新人賞を受賞した「豆柴の大群」のメンバー1人が卒倒し、他のメンバーに抱きかかえられて運び出されるハプニングが発生した。しかし、すぐに司会の安住紳一郎アナが、「密着番組の演出」だったと説明。倒れたメンバーの体調も問題なかったという。

「この“演出”をどのような形で世に出すのかはわかりませんが、豆柴の大群に対する批判も多く、正直“やらかした”という印象。豆柴の大群が所属するWACKは、2018年のレコ大でもBiSHが新人賞を受賞しており、レコ大とはいい感じの関係になりつつあったんですけどね。それこそ“WACK枠”ではないけど、新人がデビューすれば新人賞にはノミネートされるくらいにはなっていそうだったんです。でも、今回の騒動でその関係性はリセットされてしまう可能性も高いですね」(音楽事務所関係者)

 何年も前から“オワコン”などと揶揄されるレコ大だが、今後はどうなっていくのだろうか。

「2019年と2020年は、ちゃんとヒットした曲が大賞を受賞していて、意外と権威を戻しつつあるという雰囲気になっています。LDH、48グループ、坂道シリーズに支配されていた時に比べれば、かなりマシです。

ソニーの力が強すぎるのは間違いないものの、ソニーが台頭したおかげで、レコ大も正常化しているとさえいえる。必ずしもベストな状態ではないですが、ここにきてやっとレコ大も“まとも”になってくるのではないでしょうか」(前出・レコード会社関係者)

 存在意義が問われていたレコ大の復権が始まるかもしれない。