『乃木坂工事中』(テレビ東京系)

  2月20日深夜放送の『乃木坂工事中』(テレビ東京系)では、乃木坂46 バレンタイン大作戦③」をオンエア。今回は、バレンタイン企画だけではなく、星野みなみからの最後の挨拶と、29thシングルの選抜発表も行われた。

 

久保史緒里が3連勝で確変状態!

 これまでの戦績を振り返ると、秋元真夏齋藤飛鳥チョコ3個、星野みなみと鈴木絢音、久保史緒里、与田祐希がそれぞれ1個という結果。梅澤美波山下美月樋口日奈は依然としてチョコをもらえていない状況だ。先輩としては1つでもいいから後輩からチョコもらいたいというのが本音だろう。

 残る4期生は6人。まずは早川聖来が登場した。立候補した先輩メンバーはおなじみの顔ぶれで、昨年の『NHK紅白歌合戦』でマツケンサンバを踊るなどチーム「ヤマケン」としての絆がある山下、何度もお泊りをするなどプライベートでも親交の深い久保と、有力な先輩メンバーが揃った。そのなかでも、10連敗を喫してもなお、“聖来”と名前で呼んでいるという薄い根拠を理由に立候補する樋口の勇気は本当にすごい。

 早川の本命は、もちろん久保。早川によると、一緒に食事に行った際に、久保から「後輩ができた時に同じことをしてあげて」とおごってもらったことが理由だそうだ。久保の大御所さながらの振る舞いにはシビレた。早川が憧れるのも納得である。

 続いて登場した林瑠奈もチョコを渡したい先輩メンバーに久保を選び、なんと先週の放送から3連続と久保確変状態! バレンタイン企画関係なく、4期生との絆をじっくりと深めてきたのがこの結果につながっているのだろう。この放送を機に、久保の好感度はますます上がったのでは。

 いつまでも2番手の女から抜け出せない樋口はこれで12連敗を喫し、前人未到の全敗すらも見えてきた。とはいえ、ここまで番組を盛り上げてくれた樋口の頑張りには賛辞を贈りたい!

涙の末に…樋口日奈、ついにチョコを獲得!

 今回の収録回では不在だった北川悠理は電話で告白。樋口は2年ほど前に北川に冬用のコートをあげたという有力エピソードがあるそうで、千載一遇のチャンスが巡ってきた。さらに、樋口と同じくいまだチョコをもらえていない梅澤が、北川との共通点として「空が好きです」と話し出すと、スタジオが「ぽか~ん」としていたのが個人的に面白かった。MCのバナナマン日村勇紀が「なにずっとしゃべってんの?」とツッコミを入れなければ、微妙な空気感になっていたに違いない……。梅澤のあだ名にかけた「ひょろ長ムダ話」のテロップも強烈だった。

 北川は立候補していなかった齋藤の名前を挙げるという意外な結果に。北川から齋藤の後輩思いなエピソードが話されたときに、喜びを隠しきれずにはにかむ齋藤の姿がなんともほほえましかった。

 松尾美佑に対して立候補した先輩メンバーは樋口、久保、梅澤の3人。これまで何度も振られながらも果敢に立候補してきた樋口もついにダムが決壊寸前だ。これには見ているこちらも辛くなってくる……。しかし、松尾が選んだのは梅澤だった。

憧れの梅澤と距離を縮めたいと話していた松尾。その姿はまるで好きな人にチョコを渡しているかのようで、初々しくて可愛いらしかった。憧れのさすがの梅澤もこれには喜びを隠せなかったようで、その目には涙が滲んでいるようにも見えた。

 その後、22日にYouTubeで配信された『乃木坂46時間TV』の大運動会で、「乃」チームのキャプテンだった松尾が「大好きだから」という理由で助っ人に梅澤を選んでいたが、これもバレンタイン企画のおかげかなと思ったり。今後の2人の関係性に注目したい。

 これで残りの4期生は2人。

ここでようやく賀喜遥香が登場し、秋元、樋口、山下の3人が立候補した。「(乃木坂46に)入った時から決めてました」と強い思いで臨んだ賀喜は山下のもとへ。嬉しさのあまり号泣する山下にはグッときた。と同時に、ここまで苦戦を強いられるとは思っていなかったのが本音だ。また、ここ1カ月間の先輩の優しさがロビー活動の一環だったと知り涙を流す賀喜と、とことん賀喜を追い詰めるバナナマン・設楽統のやり取りも最高だった。最終的に「そのおかげでたくさん仲良くなれました」と笑顔で締める賀喜。
なんて純粋な子なんだ……。

 いよいよ残すは清宮レイただ一人。立候補したメンバーはここまで15連敗中の樋口を筆頭に、久保と山下の3人だ。ラストチャンスとなる樋口の涙を浮かべながら「レイをずっと待ってたの」とアピールする姿は切なる叫びのようだった。設楽から「あげる相手は迷いました?」と聞かれると、「すぐ決まりました!」と決意に満ちた表情を浮かべていた清宮が真っ先に向かったのは、なんと樋口。スタジオが拍手に包まれるなか、熱い抱擁を交わす2人の姿に思わず目頭が熱くなった。きっとファンのみなさんも同じ気持ちだったのではないだろうか。もうこのバレンタイン企画は涙なしには見られない。

 ところで、乃木坂46のYouTubeチャンネル「乃木坂配信中」では、番組でも話題になったみかんに樋口が丹精込めてペンを書き入れる動画が公開された。一人ひとりに愛情を込めている樋口の優しさが伝わる動画でとても良かったし、それだけに彼女が番組で流した涙を思うと余計に切ない。とはいえ、最終的に樋口の思いが4期生に伝わって本当によかった!

 番組終盤では、バナナマンと星野がこれまでの10年間を振り返った。13歳で加入した星野も今や24歳。バナナマンも言っていたが、ずっと“妹キャラ”というイメージは変わらなかったし、それが星野の魅力でもあった。星野は芸能界の引退も発表しており、公の場で彼女の姿を見られるのはこの放送が最後となる。筆者は先日開催された卒業セレモニーも拝見したが、最後まで星野らしいセットリストで、涙する齋藤との抱擁はこの10年間の絆が感じられてとても良かった。

 最後は、29thシングルの選抜メンバーが発表。大きなトピックとしては、4期生の柴田柚菜の初選抜と5期生のセンター抜擢だろう。先日発表されたばかりの5期生がいきなりのセンター抜擢は正直驚いたし、早すぎるというファンの声もよく分かる。だが、これまで加入後抜擢された堀未央奈、与田祐希、大園桃子、遠藤さくらと、加入してまもなくしてセンターに選ばれてきた乃木坂46の歴史を見ると、タイミングとしては十分あり得るものだった。

 一方で。いきなり大きなプレッシャーを背負うことになる5期生の負担も考えなければならない。そこはきっと先輩たちがフォローしてくれるだろうし、私たちにできることがあるならば温かく見守ってあげることだけだろう。

 本放送終了後の23日には『乃木坂46時間TV』内で5期生のお披露目が行われ、その後のスペシャルライブにおいて29thシングルのタイトルが『Actually…』であること、5期生の中西アルノがセンターをつとめることが発表。披露された楽曲はというと、これまでとは打って変わってかなり攻めたものになっていて、センターを中心に据えたダンスパフォーマンスも印象的だった。デビュー10周年を迎えてもなお挑戦し続ける乃木坂46をこれからも応援していきたい。

 今週は、仲良しメンバー同士でお互いを褒め合う「褒めっこグランプリ」が放送。今回とは打って変わって笑顔溢れる企画となりそうで、今から楽しみだ。