今週の金曜ロードショーは先週の続き、ファンタスティック・ビーストシリーズの第二弾『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が放送。
前作は逃げ出した魔法生物を捕まえるポケモン紛いの珍道中が繰り広げられた比較的明るめのトーンから一転、ダーク一色に貫かれており、まるで別の作品じゃないかと思うぐらい。
前作で捕まった闇の魔法使い、グリンデルバルド(ジョニー・デップ)が脱獄。その頃ニュート(エディ・レッドメイン)はイギリスに戻っており、ニューヨークで騒動を起こしたことで出国を禁じられており、解除してほしければ英国魔法省に入れと勧められているが、組織に入ればニュートが嫌っている闇祓い(闇の魔法使い専門の部署)の担当にされてしまうため、申し出を拒否。以後ニュートには見張りがつけられることに。
見張りの目を盗んでかつての恩師ダンブルドア(ジュード・ロウ)と再会したニュートは逃亡したグリンデルバルドと前作で死んだとされたが生き延びているクリーデンス(エズラ・ミラー)の探索を依頼される。
のっけから不穏なムードに包まれているのだが、前作でコメディリリーフとして活躍していたジェイコブ(ダン・フォグラー)が登場して、一服の清涼剤の役目を果たす。
一方、前作で共に事件を解決した姉のティナ(キャサリン・ウォーターストン)は、ニュートが婚約したという新聞の誤報(婚約したのは兄の方)を読んで酷く落ち込み、自棄になって他の男と交際し始める始末。誤解を解こうとするニュートもはっきりしてないので「君に嫌われたくない」とか持って回った言い方をするのだった。お前ら、中学生の恋愛か! はっきり好きっていえよ!!(この持って回った感は『ハリー・ポッター』シリーズでもあったけど、作者がこういうの好きなんでしょうね)
本作では愛するが故に苦しんだり、愛するが故に素直になれない、行動できないことで悲劇を生んでいくという展開が連なり、壮大なクライマックスに向けて話が突き進む。当初、全3部作の予定で構想されていたため(その後全5部作になると発表された)パート2の本作はすさまじい盛り上がりを見せる。スター・ウォーズでいうなら『帝国の逆襲』だ。
このように激しく盛り上がる作品同様、制作の裏側でもある意味盛り上がっている。悪役のグリンデルバルドを演じたジョニー・デップは元妻からDV被害を訴えられ、本人は否定するも英国の裁判で敗訴。ファンタスティック・ビーストシリーズを制作しているワーナー・ブラザースは敗訴を理由に、デップの降板を発表した。
デップはかつて「もっとも稼いだハリウッド俳優」として上位にランキングするほどだったが、ここ数年は出演作が大コケしたりして人気が凋落。DV騒動の他にも私生活でのトラブルが相次ぎハリウッド大手からは干されているような状態で、『ファンタスティック・ビースト』シリーズへの出演は、復活の足掛かりだったのに残念な結果に。
そしてデップに負けず劣らずの暴れっぷりを見せているのが、クリーデンス役のエズラ・ミラー。ミラーは先月末、滞在中のハワイのバーで興奮して騒ぎまくり、客と揉め事を起こして逮捕。滞在先の家の夫婦を罵倒して財布やパスポートを盗んだ疑いで、接近禁止命令を出された。この夫婦、逮捕された時に保釈金まで払ってくれたのに。
過去に海外のバーでも興奮して騒動を起こしていたとされ、とんでもない暴れん坊だった様子。降板などは発表されていないがロンドンで行われたワールド・プレミアには参加していなかった。
しかし悪役二人がそろってトラブルって……悪いのは映画の中だけにしておいて!