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 ジャニーズ事務所が主催するイベントでスマートフォンアプリからのチケット申込みが導入され、ファンからブーイングが出ていると、ニュースサイト「週刊女性PRIME」が報じた。

 記事によると、スマホアプリでのチケット申込みが導入されたのは、ジャニーズJr.の人気グループが出演する夏恒例の『Summer Paradise 2022』というイベント。

専用のアプリをダウンロードし、そこから申し込みをしなくてはならないのだが、スマートフォンのみの対応で、フィーチャーフォン(ガラケー)は非対応となっている。スマホを持っていないとチケットが入手できないということで、一部から反発の声が上がっているというのだ。消費者センターに問い合わせたというSNSの書き込みも見られるという。

 一方、チケットのデジタル化は、すでに一般的なものとなっている。

「紙のチケットだと、転売される可能性が高いという問題があります。スマホのデジタルチケットであれば、スマホを貸し出さないかぎり、購入者とは別の人が会場に入ることはできませんし、事前に顔写真を登録して、入場時に照合するというパターンも増えています。

コンサートに行きたいならスマホを手に入れるしかない、というのはもはや常識です。今回のジャニーズのチケット申し込みシステムに文句を言っているのは、チケットの転売を狙っていた人たちなのではないかと勘ぐってしまいます」(音楽業界関係者)

 人気のコンサートの場合、チケット転売の問題だけでなく、倍率が高すぎて抽選に当たらないという問題もある。

「チケットを当てるために、1人で複数の名義を使ってファンクラブに入っている人もいます。そういった人がいるせいで、余計に抽選に当たりにくくなっているわけです。でも、デジタルチケットにすれば、そう簡単に複数の名義でファンクラブには入れないし、顔写真登録での本人確認を徹底することで、複数名義のファンクラブ会員を排除することもできる。より公平を期すには、デジタルチケットは有効なんです」(同)

 とはいえ、コンサートの現場では、デジタルチケットに対応できないファンがいるのも事実。

とある女性アイドルグループの運営関係者はこう話す。

「女性アイドル現場の客層は、かなり年齢の幅が広い。若いファンもいれば、スマホを持っていない高齢のファンの方もいます。ファンクラブから送られてきたメール自体がチケット代わりというパターンの公演では、スマホの画面を見せることで入場できるんですが、スマホを持っていないので、パソコンで受信したメールをプリントアウトして持参するファンの方もいます。あとは、ガラケーで5ちゃんねるを見つつ、スポーツ新聞を広げて開演までの時間を潰す、オールドスタイルな高齢の男性ファンもいました」

 そういったファンをどうするかは、アイドル運営にとって大きな問題になっているという。

「時代の流れ的には、スマホを持っていないファンを切り捨ててしまってもいいのかもしれませんが、簡単なことではありませんよ。

ひとつ言えるのは、運営サイドもスマホ向けのコンテンツをたくさん用意していて、スマホを持っていないと楽しめないような状況にシフトさせているということ。

 それでもなおスマホを使わないということは、そこまで“お金を落としていない”証拠だとも言える。そういう意味では、運営側にとってスマホを持たないファンのプライオリティーはかなり低いのは事実かもしれません。そういったファンを重視するがゆえに、転売や公正なチケット配分を犠牲にするというのはありえませんから」(同)

 あらゆるものがスマホ対応となっている今の時代。アイドルの応援にも、スマホは必須アイテムだ。