TVerでの再生数が歴代最高記録を更新中の川口春奈主演ドラマ『silent』(フジテレビ系)。“沼”にハマる視聴者が増える中、ネット上ではファンの“考察”が話題になっているようだ。
※以下、ドラマのネタバレを含みます。
例えば、SNS上では、主要キャラクターの名前について、聴者が「青」、ろう者やその関係者には「桃色」を連想させる文字が含まれていると指摘する書き込みが散見される。
確かに、主人公の青羽紬(川口)やその家族には“青”が入っているし、元カレの戸川湊斗(鈴鹿央士)は“みなと”が青い海を連想させる。
これに対し、難聴を患った佐倉想(Snow Man・目黒蓮)とその家族は桃色を想起させる“さくら”が苗字であり、その友人でろう者の桃野奈々(夏帆)の苗字は“桃”から始まる。加えて、手話教室講師・春尾正輝(風間俊介)も、桜を連想させる“春”が入っているという具合だ。
さらに、第1話で想に拾われた紬のワイヤレスイヤホンや、想に会う際の紬の服装をはじめ、主要キャラクターの身の回りに青い物が目立つことから、「何かの伏線では?」と話題に。
中には、名前同様に“聴者の象徴的なアイテム”として青が効果的に使われているのではないかとの見方もあるようだが、想の部屋に青いアイテムがいくつか見られることや、奈々が青い洋服やリュックを好んで身につけていたり、スマホとケースの間に青っぽいカードのようなものを挟んでいることから、「想が好きな色」ゆえに想に恋する女性キャラがこぞって青を身につけているのではないかという予想もあるようだ。
なお、プロデューサーの同局・村瀬健氏は今月8日、自身のTwitterに「今回もこのドラマならではの物語を、このドラマならではの描き方で描いています」とつづり、青いハンドバッグが表示されたモニタの写真を投稿。
これは、奈々が夢に見た“聴者の自分&想のデート”で手にしていたバッグであり、第6話で“手話の妨げ”になる物として登場したキーアイテムであった。
そして余談だが、ろう者の手持ちバッグの使用については、奈々の友人役を演じる手話エンターテイナーの那須映里氏が10日、自身のTwitterで「ドラマの中にも出てきたハンドバッグや手をつなぐのところですが、ろう者でもハンドバッグを使ったり、手を繋いだりはします 手話に興味を持ったみなさんが手話を勉強すると、次に出会うのは『片手手話』です!笑」と補足。
これが、「片手手話があるんですね!」「ハンドバッグは手話ができないから買わなかったのではなく、片手手話しかできないから買わなかったのだと気付きました!」などと反響を呼んでいるようだ。
また、視聴者の中には、Official髭男dismによる主題歌「Subtitle」の歌詞が、回を追うごとに「いろいろなキャラクターとリンクする」と指摘する人も目立つ。
「『凍りついた心には太陽を』『僕が君にとってそのポジションを』」という歌い出しで始まる同楽曲だが、「回を重ねるごとにSubtitleの歌詞がストーリーとビシビシとリンクしすぎてて切ない」「最初は紬と想の歌かと思ってたけど、湊斗や奈々の気持ちにもフィットしてて、泣ける」「subtitleの歌詞、奈々の気持ちともリンクしてる。苦しい……」などの声が見られる。
楽曲といえば、同作の脚本家である生方美久氏は3月、自身のTwitterで「スピッツの『楓』みたいなお話書いてるので毎日泣いてます。むだな涙にならないように努力します」とツイートしていたが、『silent』第2話放送後、想が紬に「想くん」と呼ばせた後に泣きながら去っていくシーンが、「楓」の「さよなら 君の声を抱いて歩いていく」という歌詞を想起させると話題に。
このほかにも、スピッツの楽曲とセリフがリンクしているシーンなどが確認されており、そういった“小ネタ”を探すのもこのドラマの楽しみ方の一つといえそうだ。
もちろん、ファンの考察の中には制作側が意図しない“こじつけ”もあるだろう。
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