強風のため帯広空港に着陸できず、釧路空港へ飛ぶように指示された舞ちゃん(福原遥)。着陸の特訓を受けたり、熱で倒れていたために授業が遅れていたから、まだ2度目の単独飛行。
と思ったのに、舞ちゃんは柏木学生(目黒蓮)を好きになっちゃうんかーい! まだ付き合ってもいないのに、人目がある場所でハグしてくるような柏木学生を! 「岩倉がフェイルになるかも」と勝手に先走って教官を変えてもらおうとする柏木学生を! 貴司くん(赤楚衛二)に「舞のことはこれから僕が支えていきます!」と呼び捨てマウントしちゃう柏木学生を! もちろん、柏木くんはかわいいと思いますよ。お好み焼きを前にニコニコするところとか、水島学生(佐野弘樹)の退学で涙を流すなど、だんだん人間味が出てきたところとか。
まあ、恋の相手として大河内教官は大人すぎるかもしれないけど、同期なら吉田学生(醍醐虎汰朗)もいいと思うんですよ。こつこつ取ったノートを仲間に惜しみなく貸す優しさとか、舞ちゃんに向ける笑顔とか。でも、ピンチの時に見守ってくれる大河内教官でもなく、そっとノートを差し出してくれる吉田学生でもなく、舞ちゃんが好きになるのは、「君のことを心配してるよ!」とひとりで大騒ぎしている柏木学生なんですよね。しかしこれが初恋らしさってものなのかもしれない。自分に初めて「好きだ」と言ってくれた人を、そのまま好きになってしまう初々しさ。
でもね舞ちゃん、おばちゃんはね(と、どうしても見てると親戚のおばちゃんモードになっちゃうんですが)「この前と違う態度! 新鮮!」って人よりも、いつも同じように接してくれる、穏やかな人のほうが楽だなあと、歳を重ねた今はつくづく思うのよ。不安定な柏木くんは、例えていうなら「コーヒーを注文してみたけど、アイスとホットのどちらが出てくるかわからない」みたいな人。それがおもしろいと最初は思うけど、そのうちだんだんしんどくなるかもしれない。「いつもちょうどいい温度のお茶が出てくる安心感」みたいな人のほうが、長く一緒にいられるかもしれないわよ。貴司くんのことですけどね。自分がつらい時に目に入るところに、貴司くんがくれた短歌を貼っておきたくなる。
『舞いあがれ!』はまってないジグソーパズルのように物語の「隙間」が気になる(第10週) 航空学校で、みんなが「〇〇学生」と呼び合うルールらしいのがなんかいいなと思ってます。「さん」「くん」呼びだとどうしても男女の違いやお互いの年齢などの差が出てしまうけど...
■番組情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
[NHK総合] 月~金 8:00-8:15 / 月~金 12:45-13:00(再放送)
[BSプレミアム・BS4K] 月~金 7:30-7:45 / 土 9:45-11:00(再放送)
[見逃し配信] NHKプラス
出演:福原遥、高橋克典、永作博美、横山裕、高畑淳子、赤楚衛二、山下美月、山口智充、くわばたりえほか
作:桑原亮⼦、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時、管原浩
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐
プロデューサー:上杉忠嗣、三鬼一希、結城崇史
広報プロデューサー:堀之内礼二郎、齋藤明日香
制作:NHK
公式サイト:nhk.or.jp/maiagare