映画『さかなのこ』公式サイトより

 主演映画『さかなのこ』(2022年)で『第46回日本アカデミー賞』の優秀主演女優賞を受賞した俳優・のんが、公式Twitterを更新。「頑張ってきて良かった」と思いをつづり、ファンが沸いている。

 今年の優秀主演女優賞は、のんのほかに、岸井ゆきの、倍賞千恵子、広瀬すず吉岡里帆が受賞。3月10日に行われる授賞式では、この中から最優秀主演女優賞が発表される。

 1月23日、のんはTwitterで「日本アカデミー賞主演女優賞優秀賞をいただきました。本当にありがとう~~!」と報告しつつ、「頑張ってきて良かった。なんだかとても嬉しいよ。みんなが喜んでくれてるのが何より嬉しいでギョざいます のん」と投稿。

 『日本アカデミー賞』においては、のんが声優として主演した長編アニメーション映画『この世界の片隅に』(16年)が、17年に最優秀アニメーション作品賞を受賞。一方、俳優に送られる賞となると、能年玲奈名義で主演した映画『ホットロード』(14年)で15年に新人俳優賞を受賞して以来、実に8年ぶりの登壇となる。

 能年玲奈からのんに改名して以来、初の俳優としての『日本アカデミー賞』受賞となるため、「頑張ってきて良かった」という本人の言葉をファンも重く受け止めているようで、Twitterには多くの祝福メッセージが寄せられている。

 のんといえば、15年に当時所属していたレプロエンタテインメントとの間で独立をめぐるトラブルが勃発。同事務所から本名でもある“能年玲奈”の使用にNGが出されたため、16年に“のん”への改名を余儀なくされた。

 独立当初はメディア露出が激減し、ネット上では“レプロによる圧力”が疑われていたが、近年はCMや映画、舞台などで精力的に活動。

しかし、テレビ出演となると、昨年は『へんテナ』(NHK Eテレ)をはじめとするNHKの番組やCS放送、トーク番組『サバンナ高橋の、サウナの神さま』(TOKYO MX)にゲスト出演したくらいで、民放からは“干されている”状況が続いているのだ。

 そういった不憫な状況が広く知られているだけに、今回ののんの受賞は、ネット上でも盛り上がっている模様。授賞式は当日の午後9時より日本テレビ系で放送されるが、「民放のテレビ番組でのんを見るのは、いつぶりだろう」「のんの部分をカットしないで、ちゃんと流してほしい」という声や、「のんさんが最優秀主演女優賞を取ったら激アツ。表舞台への完全復活!」「最優秀主演女優賞を取ったら、さすがにテレビドラマにも復活するでしょ」と期待を寄せるファンが相次いでいる。

 受賞後の復活といえば、元SMAPの草なぎ剛が思い出される。彼はジャニーズ事務所退所後、民放の連続ドラマに出られない時期が長く続いたが、放送中の連続ドラマ『罠の戦争』(フジテレビ系)で復活。

民放ドラマへの出演は、SMAP解散直後に主演した17年1月期『嘘の戦争』(同)以来、実に6年ぶりとなる。

 17年にジャニーズ事務所を退所した草なぎだが、民放で復活を遂げられたのは、主演映画『ミッドナイトスワン』(20年)が高く評価され、21年の『第44回日本アカデミー賞』で最優秀主演男優賞を獲得したことが大きく作用したとうわさされている。ゆえに、のんのファンが、草なぎと同じような復活劇を期待するのも当然といえそうだ。

 昨年は3本の主演映画が公開された一方で、テレビの連続ドラマは13年のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』が最後というのん。この異常にも思える状況は、3月の授賞式を堺に一変するだろうか。

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