出かけずとも家で名店の味が楽しめる名店再現系のカップ麺はありがたい存在ですが、一方で、異種格闘技戦よろしく、麺類とは全く異なるぶっ飛んだ味を再現できるところにもカップ麺の良さがあるのではないでしょうか。
今回は、最近発売されたカップ麺のうち、麺類とはかけ離れたものをカップ麺として再現した、無理矢理とも思える3品をレビューします。
甘いの?しょっぱいの? 東洋水産「QTTA しあわせバタ~味」
![カップ麺で「ポテチ」「とり皮串」「豚まん」再現…異種格闘技戦3品をレビュー!](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FCyzo%252F7e%252FCyzo_341919%252FCyzo_341919_2.jpg,quality=70,type=jpg)
まずは、東洋水産の「QTTA しあわせバタ~味」214円(税別)。「カルビーポテトチップス」の人気フレーバー「しあわせバタ~」の味を再現した、カルビーとのコラボカップ麺です。
カルビーは過去にも、東洋水産だけではなく、サンヨー食品やエースコックともコラボしたことがあり、異種格闘技戦ながらカップ麺慣れしている存在と言えます。
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「カルビーポテトチップス しあわせバタ~」は、2010年から毎年12月に限定発売され、2015年から通年発売となった人気フレーバーです。韓国で大ヒットした「ハニーバターチップ」は「しあわせバタ~」を元に作られました。
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ポテチのパッケージには、「しあわせバタ~」(4あわせ=幸せ)の商品名の由来である4種の材料(バター・はちみつ・パセリ・チーズ)の写真が描かれていますが、カップ麺パッケージには同じ写真ではなく、写真をイラスト化したものが描かれており、外側からすでに再現が始まっています。
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はちみつやチーズの風味が感じられるクリーミーなバター味のスープに、「つやもち製法」によるラードで揚げた油揚げ麺と、具としてポテトが合わせられています。
実際のポテチ「しあわせバタ~」は、甘みを感じるバターやはちみつが先行し、ポテチながら甘いというところが大きな特徴ですが、今回のカップ麺では、甘みよりも塩気が強く、はちみつよりもチーズやバターが目立っていました。
ポテチの味を忠実に再現するならもっと甘いほうが良かったですが、東洋水産の社内で、突き抜けた甘さを主張する革新派の意見と、カップ麺スープとしての常識的な甘さを主張する保守派の意見とのせめぎ合い、闘いがあった結果でこの味だと思うと、趣深いものがあります。もちろん妄想ですが。
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具はダイス状のポテトが入っています。この商品に限りませんが、ポテチの再現カップ麺に本物のポテチを入れるのはご法度なのか、今まで入っていたことはほとんどありません。
ダイス状のポテトの量は多く、湯戻しがしっかりできている部分はホクホク、湯戻しが甘い部分はちょっとサクサクした食感が残り、ポテチに負けないジャンキーな存在でした。
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自主的にポテチをスープに投入してみました。スープに足りない甘さをポテチが補いつつ、ポテチにもスープによるチーズのコクが加わり、相乗効果で味に厚みが増す印象。ポテチはパリパリ食感だけではなく、スープを吸ってポテト本来の食感も楽しむことができ、むしろ麺よりポテチのほうがおいしいまでありそう。この食べ方は強く推奨したいです。
とり皮までカップ麺に!? サンヨー食品「街の熱愛グルメ 福岡とり皮串味焼そば」
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続いては、サンヨー食品の「街の熱愛グルメ 福岡とり皮串味焼そば」214円(税別)。福岡名物のひとつである「とり皮串」の味をカップ焼そばで再現しています。
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福岡のグルメと言えば、豚を使った豚骨ラーメン、牛もつを使ったもつ鍋などもあり、鶏を使う水炊きやとり皮串と合わせて、牛豚鶏を網羅。さらには明太子まであり、陸海空を完全制覇しています。福岡の食の豊かさは全国屈指ですよね。
豚骨ラーメンはもちろん、もつ鍋や水炊きはカップ麺化されていたことがありますが、まさかとり皮串までカップ麺になるとは驚き。ここまでぶっ飛んだ異種格闘技戦をするなら、いずれ銘菓の「ひよこ」とか「博多通りもん」までカップ麺化されてもおかしくありません。
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チキンベースのローストした醤油味のソースに、ストレート形状の油揚げ麺と、肉そぼろ、キャベツが合わせられています。ローストの香ばしさが前面に出ており、焼鳥味の焼そば、もしくは醤油味の焼そばとして普通においしいです。鶏の旨みがしっかり感じられました。
ただ、これがとり皮串かといわれると微妙なところで、とり皮の脂ならではのまったりこってり感はそれほどありませんでした。とり皮ならもっとギトギトだと良かったですが、それだと好みが大きく分かれてしまいそうではあります。
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具は、肉そぼろとキャベツの組み合わせ。
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最後にレビューするのは、エースコックの「ワンタンメンどんぶり 南京町監修 豚まん味中華そば」214円(税別)。神戸の中華街・南京町が監修したカップ麺で、「ワンタンメン」ブランドによる「豚まん」の味を再現した中華そばとなっています。
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異種格闘技戦はエースコックの得意とするところで、これまでにも、餃子やテリヤキバーガー、レバニラ炒めなど、多くのものがカップ麺化されてきました。
異種格闘技戦のスペシャリストであるエースコックにとって、豚まんの再現はまったく問題ないと思われますが、豚まんの餡部分はともかく、あの外側の甘い生地・皮の部分をどう再現するのかはとても気になるところではないでしょうか。
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豚まんの味を再現した醤油味のスープに、中細の油揚げ麺と、ワンタン3個や肉そぼろなどが合わせられています。
スープは、豚の旨みや強めに甘みを効かせた醤油味で、玉ねぎや五香粉の風味によって中華の味わいを演出しています。スープは濃い醤油色ですが、醤油よりも豚肉や玉ねぎの旨みが際立っていて、豚まんの餡の味を再現。餡の再現性はかなり高いのではないでしょうか。
![カップ麺で「ポテチ」「とり皮串」「豚まん」再現…異種格闘技戦3品をレビュー!](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FCyzo%252F7e%252FCyzo_341919%252FCyzo_341919_15.jpg,quality=70,type=jpg)
スープは餡の味だけではなく、強い甘みによって豚まんの外側の皮の味もきちんと再現されています。この甘さは普通の醤油ラーメンとしてはかなり不自然なのですが、豚まんの味としてならば納得。
強い甘みが、豚の旨みや玉ねぎと甘みが合わさることで、確かに豚まんの味になっています。スープは餡、麺は皮を再現といったような役割分担しているかと思いきや、すべてスープで再現しており、驚きのオールインワン豚まん味スープでした。
![カップ麺で「ポテチ」「とり皮串」「豚まん」再現…異種格闘技戦3品をレビュー!](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FCyzo%252F7e%252FCyzo_341919%252FCyzo_341919_16.jpg,quality=70,type=jpg)
ワンタンは3個入っています。ワンタンスープに入っているものほど大きくはないですが、まずまず食べ応えがありました。ワンタンは餡と皮の組み合わせなので豚まんと被りますが、いつもの「ワンタンメン」のカップ麺に入っているものと同じもので、豚まんを再現しているのは基本的にはスープのみのようです。
肉そぼろとネギも入っていました。肉そぼろはたくさん入っていると豚まん感が増しそうですが、おまけ程度にしか入っておらず、豚まんを再現している感じはありません。
スープの豚まんの再現性の高さとオールインワンぶりに驚きますが、対比的にスープ以外の通常営業ぶりも面白い一杯でした。
「QTTA」にポテチ投入がオススメ!
カップ麺の異種格闘技戦3連戦でしたが、再現性の高さでいえば、エースコック「ワンタンメン」の豚まんを再現したスープが圧倒的でした。一方で、「QTTA」の再現性はそれほど高くなかったものの、スープにポテチを投入すると味も食感も面白く、今回の3品で最もオススメしたい存在でした。