『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系)のコーナー「発掘!ニッポン なかまる印」でリポーターを務めるKAT-TUNの中丸雄一。6月3日放送回で彼が訪れたのは、長崎県平戸市であった。
中継が始まるや、中丸はどこかのお城の天守閣から手を振っている模様。ここは、同市に居を構える平戸城である。
なんと、城内にある2階建ての櫓で宿泊ができるらしい。今回の発掘ポイントは、「城主気分が味わえる! 日本100名城に宿泊」であった。つまり、この日は“帝王”中丸が城主気分を味わうということ。
いざ、櫓に足を踏み入れると、内装は和モダンだった。まず目に飛び込んできたのは、江戸切子のテーブルだ。
「これ、いいっすねぇ~。座りながらどうのこうのしたいですねえ」(中丸)
「どうのこうのしたい」って、何をしたいのか? ざっくりしすぎな、中丸のリポート術。さらに、壁を見ると画家による手描きの蝶が鮮やかなのだ。
こんなに立派な建物である。やはり、気になるのは宿泊料金だろう。
「あ、ずいぶん安いですね」(中丸)
「安いですね」のイントネーションが、見事に棒の中丸。「安いですね」と言いながら口元が笑っちゃってるし、「安いですね」の顔つきをしていない。そりゃあ、そうだろう。「素泊まり40万円」、まごうことなきパワーワードだ。ほぼ、給料の1カ月分!
ただ、エクスキューズとして最大5名で泊まることができるそう。いや、1泊40万円なら、本音は20人くらい集めたいのだけれど……。中国富裕層あたりにターゲットを絞っているのかもしれない。
ビビりながら風呂に入っている中丸
この宿泊施設の売りは、バスルームである。三面ガラス張りのお風呂になっており、浴槽に浸かったまま平戸の景色が一望できるのだ。
試しに、湯を張っていない状態のまま中丸が湯船に入った。
「簡単に言うと、視界に入るものすべてが山とか水平線なわけですよ。おそらく、湯を張ってると(湯と)海との境目がつながって、いわゆるインフィニティ風呂みたいな感じになるんですかね」(中丸)
さらっと、インフィニティプール(風呂)という単語を発する中丸。
しかし、そんなマイナス要素にはお構いなしで魅力のみを伝え続ける中丸。
「たぶんですけれども、当時のお殿様よりも殿様気分を味わえちゃうかもしれませんね」(中丸)
インフィニティ風呂の体験をもとにした「当時のお殿様よりお殿様気分が味わえる」という感想が、うまいことを言っている。なにげに名言だったと思う。
一方、気になるのは中丸の表情だ。少し、ひきつり気味だったのだ。かねてより、スカイダイビングをNG仕事にしている中丸。インフィニティ風呂からの景色(高さ)に食らってしまい、地味にビビっていたのではないか? 湯船の浸かり方も、端っこにちょこんと座ってコンパクトに収まってたし。不可解なエア入浴姿の中丸。
「ゴリゴリのフレンチ」「実質殿様」……変な日本語を連呼の中丸
宿泊するなら、最も気になるのはやはり食事だろう。
見るからに、豪華でおいしそうなのだ。鯛もポークも脂が乗っている。料理について解説してくれるのは、同施設を運営する株式会社狼煙の苅宿晴太さんだ。
中丸 「おすすめはどのへんになりますか?」
苅宿 「なつ香タイの塩麹焼をお召し上がりください」
中丸 「これ、いただいちゃいますね。(箸でつまんで)やらかっ! 見た目でわかっちゃいました、脂乗ってますねえ」
苅宿 「平戸の夏香(密柑)を食べて育ったあま……」
中丸 「ちょ……食べていいっすか?」
食べる直前に説明をぶっ込まれ、鯛をお預けされた、食べるタイミング見失う丸。見ていて可哀想だったが、中丸は中丸で鯛やポークをひと口で行ってしまう遠慮のなさ。まさに、殿様気分だ。
ちなみに朝食には和テイストが漂うが、ディナーで提供されるメニューはもっと洋風寄りの料理らしい。
「そうか、夜はゴリゴリのフレンチを出してくれるんだ」(中丸)
なに、その「ゴリゴリのフレンチ」って。ゴリゴリじゃないフレンチがあるのか? すごいワードセンスである。
さらに、中丸が行く。
「景色もいい、食事もいい。で、泊まって自分の好きなオプションをいろいろカスタムしていったならば、“殿様気分”というより、それは実質殿様だと」(中丸)
「実質無料」みたいなニュアンスで、「実質殿様」と言い出す中丸。日本語は変だが、伝えたいことはなんとなく理解した。
というか、「ゴリゴリのフレンチ」とか「実質殿様」など、独特の中丸語を必ず入れ込んでリポートしようとする彼のアティチュードが毎回かいがいしい。
最後に、「なかまる印」ステッカーを苅宿さんに手渡した中丸。恒例のくだりだが、まさかお城にステッカーを貼ってくれるとは思えない。
この日の『旅サラダ』は、オープニングから異常事態だった。
番組が始まり、「おはようございます!」とレギュラー陣が挨拶するも、そこにいたのはMCの神田正輝と松下奈緒の2人のみ。ムードメーカーの勝俣が不在だったのだ。なのに、画面上にテロップで「勝俣州和」と名前だけ表示されていたのは、逆に不気味。魂だけは現場に来ていたのか?
「今日は2人で、ちょっと寂しいけれどね」(神田)
なぜ、勝俣はいないのだろう。短パンのストックが切れたのか? いや、違う。
当然、彼の不在により、この日の『旅サラダ』は落ち着いた雰囲気に様変わり。わかりやすく言うと、静かだった。でも、これはこれでいいな……と思っていたら、8時55分ごろに勝俣がスタジオに到着! ここから、勝俣はしゃべり倒した。
「新幹線が止まりまして。夜の8時から朝の6時まで車を運転して、名古屋駅に着いて、新幹線に乗って、駅から走ってきました」(勝俣)
急にうるさくなる『旅サラダ』。ちなみに、勝俣が登場した際、スタジオで行われていたのは旅の名物を食べるコーナーであった。みんなが食べていたのは、1本800円もするという神バナナだ。
神田 「とりあえずは、お腹空いたでしょうから食べてください」
勝俣 「(バナナをチラッと見て)寝てないんで、胃が受け付けないんです(苦笑)」
勝俣は嘘をついている。1997年11月13日放送『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の人気企画「食わず嫌い王決定戦」にゲスト出演した勝俣は、バナナを食べて嘔吐寸前のリアクションを披露しており、今や好事家の間で語り草だ。もしかして、バナナが嫌いだからわざと遅刻したのか? そう勘ぐりたくなるほどのレベルでバナナ嫌いな勝俣。
よく考えると、バナナを勧められ「寝てないから胃が受け付けない」と返答した勝俣のアドリブスキルは見事なものだ。うまく、取り繕った。
そして、バナナの代わりにお茶をグイッと飲み「『旅サラダ』のお茶、うまっ!」と、またしても取り繕う勝俣。いや、お茶が好きなんじゃなくて、あなたはバナナが嫌いなだけでしょうに……。
その存在に賛否があるのは、よく知っている。しかし、やはり勝俣がいないと『旅サラダ』はしっくりこない。表情には疲れが前面に滲んでいたが、彼の登場によって番組のエンジンが一気にかかったのは事実だ。
エンディングでは、こんなやり取りも見られた。
神田 「かっちゃんも無事到着しましたけど、今日のギャラは半分ですから」
勝俣 「そうですね。ということは、800円です(笑)」
神田 「さあ、また来週です。『旅サラダ』、世界の旅に行きましょう。素敵なしゅうま……」
勝俣 「神バナナとおんなじ(笑)」
MC・神田の呼びかけ「素敵な週末を」に被せ、無神経にしゃべり倒した勝俣。遅刻した分を取り戻そうと、かかっていたのか? いや、もともとこんな人だったと思う。
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