田原俊彦の「ジャニーさん賛美」が波紋を広げている。ジャニーズ事務所創業者・故ジャニー喜多川氏による未成年タレントへの性加害疑惑が社会問題化する中、公の場でジャニー氏を礼賛するかのような発言を繰り返し、物議を醸しているのだ。
田原は6月12日付の情報メディア「ENCOUNT」のインタビューで、ジャニー氏の性加害問題などについて意見を求められると、「話したくないよ。だって、ジャニーズを辞めて30年だよ。そんな人間が言っちゃ、ダメでしょ」とコメント。あえて多くを語らなかったことを評価する声がネット上で目立っていた。
ところが、田原は18日に出演したTBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』で、爆笑問題の太田光からイジられると、突然「ジャニーさん万歳!」と発言。同日朝に出演した、同じく爆笑問題が司会を務めるTBSテレビ系『サンデー・ジャポン』でも、田原が「ジャニーさん万歳!」と叫ぶ場面があった。
ラジオでは、太田が「今、それ言う人いないのよ」と万歳発言にツッコむと、田原が「ハッピーにいこうよ。誰が得するのよ。メリーさんもいい人だったのよ」と、ジャニー氏と共にジャニーズ事務所を仕切っていた故メリー喜多川氏に言及。さらに「ジュリーはみんなで守ろう!」と、現社長の藤島ジュリー景子氏を擁護するともとれる発言も飛び出した。
悪ノリはそれで収まらず、ジュリー氏が少女時代に子役としてTBS系ドラマ『3年B組金八先生』(第1シリーズ) で田原と共演していたことに話が及ぶと、田原は「(ジュリー氏は)タイプじゃなかった。タイプだったら手出してるよ」とまで語っていた。
25日に開催した新曲のリリース記念イベントでは、上を指さしながら「ジャニーさん、空の上から見ているかな……反省しろ!」と、半ば性加害問題をネタにするかのような発言を披露。ファンが爆笑すると、田原は「他人のことだから(ファンは)笑っていられるけど、私も当事者ですからね。まあいろんな立場があってね。でも、僕の中では素晴らしい思い出しかなくて。ジャニーさんにはエンタメの1から10まで叩き込まれて、僕の50%はジャニーさんでできている。辞めて30年経つから30%くらいか?」と、ジョーク交じりにジャニー氏との絆について語った。
こうした一連の発言に対して、ネット上では「ジャニーさんに恩義があるのは分かるけど、事務所は十分な対応をしてないのに『ジュリーはみんなで守ろう』って本当に空気読めてない」「ことの大きさを理解してない……冗談半分で語っちゃいけない問題でしょ」といった否定的な意見が飛び交っている。その一方で「自分の美学を曲げないトシちゃんらしいと思う」「良くも悪くも空気を読まないのは一貫してる」と支持する声もあり、賛否両論となっているようだ。
ジャニー氏やジュリー社長らへの発言は彼なりのジョークという部分もあるのだろうが、田原といえば、過去には同じくジョークのつもりで放った「僕くらいにビッグになっちゃうと」という発言でマスコミから猛バッシングを浴びたことがある。その後しばらくは仕事が激減されることにもなったが、この猛バッシングや仕事の激減は、ジャニーズ事務所から独立しようとしていたために田原の後ろ盾がなくなったことに起因するとも指摘されるが、今回の“ジャニー氏礼賛”発言によって「何を言いだすか分からない要注意人物」だと認識されれば再び大手メディアから姿が消えてしまうおそれもある。もっとも、近年の田原の主戦場はコンサートやディナーショーなどのライブ活動になっており、もともとテレビなどの大手メディアに頼っていないという自負が自由奔放な発言につながっているのかもしれない。
同時代にアイドルとして活躍した近藤真彦は、ジュリー社長が「(当時の被害実態を)知らなかった」と釈明したことを意識してか、性加害問題について「知ってた、知らなかったじゃなくて、もう知ってるでしょと。
田原は昨年9月に始めたYouTubeチャンネル「田原トシちゃんねる!」にて先月、性加害の現場にもなったといわれているジャニーズの合宿所について語った動画を公開し、40万回以上の再生数を記録するなど注目を集めたが、ファンからは「この時期にこの話題で話せるってある意味すごい」「このタイミングで合宿所ネタをぶっ込んで来るトシちゃん私はほんと好き」と感心する声もある一方、性加害問題を利用しているとの批判も出ていた。いずれにしても“当事者”のひとりである田原は今後も発言のたびに物議を醸しそうだ。
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