ジャニーズ性加害問題の影響で業界の「忖度」が弱まり、いわゆる“辞めジャニ”たちが勢いづいている。「新しい地図」の香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎は地上波番組やCMで活躍し、退所者が続々と合流した滝沢秀明氏率いる事務所「TOBE」は来春の東京ドームコンサートを発表、山下智久は海外ドラマ初主演を果たしたり来年1月にNHKで主演ドラマ『正直不動産』のスペシャルと続編が放送されたりと俳優業が絶好調だ。
だが、誰もが順風満帆というわけではないようで、元関ジャニ∞の渋谷すばるは「個人事務所が廃業していた」と報じられ、心配の声が集まっている。
渋谷は2018年末、関ジャニ∞を脱退すると共に旧ジャニーズ事務所を退所。翌年4月に大手レコード会社「ワーナーミュージック・ジャパン」の全面バックアップで自主レーベル「World art」を立ち上げ、独立後初の配信曲がチャート1位になるなどソロアーティストとして華々しいスタートを切った。
実質的にはワーナー所属となっていたが、昨年5月に「週刊文春」(文藝春秋)が「ワーナーとの契約が2022年3月で打ち切られていた」と報道。記事によると、独立後初のアルバム「二歳」は初週売上6.9万枚とまずまずだったが、2枚目の「NEED」は初週2.1万枚、3枚目の「2021」は初週1.1万枚と低迷し、なおかつ「取材嫌い」だという渋谷がプロモーション活動に消極的だったことが契約終了につながったと伝えられた。おそらく、2021年に結婚を発表して女性ファン離れが起きたことも少なからず影響しただろう。
しかし、それでも渋谷はめげずに個人事務所を設立して音楽活動を継続。2022年秋に全14公演のライブツアーを敢行し、今年は全3公演のツアーに加えて「すばるの部屋」と題したアコースティックライブも開催しており、8月にミニアルバムもリリースするなど精力的に活動していた。
ところが、19日付の「女性自身」(光文社)WEB版など複数のメディアが「11月に個人事務所が廃業していた」と伝えており、記事によると3月末の株主総会の決議により事務所の解散が決定し、11月23日に清算が結了、同24日に閉鎖されたという。この報道を受けて、渋谷は自身のX(旧Twitter)で「ぼくは廃業なんかしてない!今日は焼肉も食べたし!」と反応したが、事務所の閉鎖は否定しておらず、現在どのような形態で活動しているのかは不明だ。
ファンに「異変」を感じさせる出来事もあった。渋谷は8月にSNSで「息苦しくて心臓が落ち着かない吐きそう 人は人を裏切る生き物で嘘をつく生き物なんだ」「二度と人を信じない 全宇宙の万物を信じない 本当の独立、本当の孤独を手に入れたんだ 誰にも近寄らないし、誰からも離れない 完璧に流されて、絶対に流されない 無重力で生きていくんだ」などと意味深な言葉を投稿していたのだ。
いずれにしても、活動に影を落としているのは音楽売上の低迷だろう。渋谷は関ジャニ∞時代にメインボーカルを務めるなど歌唱力に定評があるが、同じように独立した“辞めジャニ”たちの成功パターンは俳優業やYouTube活動など幅広く展開しているケースが目立つ。渋谷の場合は退所後にほぼ「音楽一本」となっており、それが裏目に出てしまった印象だ。本人もそれを認識しているのか、今年は雑誌のインタビューで「もしかしたらお芝居をやるかもしれないし……やらないかもしれないし(笑)」「いいなと思うことは何でもやりたいので」などと発言している。
同じ元関ジャニ∞の錦戸亮は来年のフジテレビ系ドラマへの出演が内定していると一部で報じられており、それをきっかけに地上波に完全復帰し、タレントとして再浮上するのではと期待されている。苦境にあるとみられる渋谷はどのような戦略を思い描いているのか、今後に注目が集まる。