年の瀬はテレビ局が気合の入る時期。各局とも特別番組を用意し、普段はテレビを見ない人を何とかテレビの前に座らせようと必死だが、2023年から24年にかけての年末年始は、1つの大きな傾向がある。
「2023年はようやくコロナ騒動が収束に向かい、華やいだ雰囲気になってもおかしくない1年でしたが、ウクライナやガザ、増税、値上げラッシュ、政治腐敗など、とにかく暗い話題だらけ。芸能界に目を向けてもジャニーズや宝塚の問題ばかりが印象に残り、映画やドラマもメガヒットはなく、明るい話題は大谷翔平、WBC世界一、藤井聡太の八冠制覇ぐらいしかありませんでした。それゆえ、年末年始のテレビ番組は野球関係のものが非常に多くなっているんです」(キー局関係者)
年末の番組がその年を振り返る内容になるのは当然であり、年始は年始で、何とか明るい話題を取り上げたいもの。2023年には、野球嫌いの人に野球の話をし続ける「野球ハラスメント」という新語が話題になったが、その単語が改めて脚光を浴びそうな状況だ。
「注目されていた紅白の審査員は、野球関係者はゼロでしたが、今年の年末年始は現役・OBを問わず、とにかく野球選手の顔を見ることになりそうです。大みそかにはTBSが中居正広の司会で大々的にWBC特番をやりますし、テレビ東京は25日から連続でスポーツ番組を、また27日には『プロ野球戦力外通告』(TBS系)が放送されました。
ここまで野球一色になると、さすがにやり過ぎではという感もあるが、テレビマンは十分に手応えを感じているという。
「今年1年かけてテレビ局が貫いたのは“大谷が出ていれば数字は取れる”ということ。朝の情報番組でも昼のワイドショーでも、大谷の話題が終わるとパタっと視聴率が落ちるので、いきおい大谷の話題は長くならざるを得ない。
大谷の1000億円契約は、野球嫌いを振り向かせるには十分なインパクトだったが、冬休みが終わる頃には“大谷の話はもうたくさん”となっているかもしれない。