昨年大みそかの『第74回NHK紅白歌合戦』の平均世帯視聴率が、第1部(午後7時~8時55分)が29.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)で初の30%割れ、第2部(午後9時~11時45分)が31.9%で、既報の通りいずれも史上ワーストを更新することになった。
昨年の紅白には創業者の故ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)勢の出場が44年ぶりに0組に。
「MISIAは男闘呼組のメンバーを中心とした寺岡呼人プロデュースの新バンド・Rockon Social Clubとともにコラボレーション楽曲「傷だらけの王者」を熱唱したが、放送ではまったく男闘呼組について触れられなかった。周知の通り、もともと男闘呼組は旧ジャニーズからデビューしたユニットで、岡本は紅白出場のためか旧ジャニーズのエージェント契約を解除していた。しかしNHKは徹底的な〝脱ジャニーズ〟で、放送では男闘呼組という単語すら出さなかった。
MISIA以下の歌手別視聴率でトップ10入りした歌手の顔触れを見ると、大ヒット曲「アイドル」を歌ったYOASOBI、覆面歌手のAdo、常連の福山雅治、石川さゆり、1990年代に大流行したウッチャンナンチャンやキャイ~ンらによる伝説のユニット・ポケットビスケッツとブラックビスケッツ、中高年以上の世代がファン層の中心の寺尾聰、伊藤蘭、薬師丸ひろ子らが入った。
しかし、NHKが若い世代に視聴者を取り込もうと出場させたJO1、BE:FIRSTらのボーイズグループ、LE SSERAFIM、Stray KidsらのK-POP勢はことごとくトップ10圏外だったのだ。
「寺尾、薬師丸らの高視聴率で〝懐メロ〟への視聴者の関心の高さが明らかになった。おそらく、来年はもっと懐メロジャンルでの歌手を増やし、なかなか数字が上がらない第1部から配置することになるだろう。毎年、けん玉のギネス記録更新を続けていた演歌歌手の三山ひろしだが、一度は成功と認定されるも、今年はついに失敗。これまで何度か歌手別視聴率トップ10に入ったが、もはや関心が薄いので来年は厳しいかもしれない。
毎年1月2日と3日に放送されている『箱根駅伝』の今年の往復路の平均視聴率は27.2%。このまま紅白が改善策を講じないと来年にも『箱根駅伝』の視聴率を下回ることになりそうだ。