羽生結弦(写真/Getty Imagesより)

今週の注目記事・第1位「松本人志 SEX上納システム 3人の女性が新証言」(『週刊文春』1/18日号)
同・第2位「現地総力取材『寸断された能登』志賀原発クライシス」(『週刊文春』1/18日号)
同・第3位「羽生結弦“70億円リンク”に連盟会長、市議から異論『市民に開放を』」(『週刊文春』1/18日号)
同・第4位「『阪神』『熊本』超え激震は『首都直下』『南海トラフ』の前兆か」(『週刊新潮』1/18日号)
同・第5位「木原事件 遺族の土下座に担当検事が『しっかりやる』」(『週刊文春』1/18日号)
同・第6位「『裏金』上納で養わせる巨悪『特捜』最後の狙いは『森喜朗元総理』」(『週刊新潮』1/18日号)
同・第7位「安倍派裏金男 池田容疑者の裏の顔」(『週刊文春』1/18日号)
同・第8位「ダイハツ前代未聞の不正とトヨタの責任」(『週刊現代』1/13・20日号)
同・第9位「広末涼子 鳥羽シェフと再々婚にブレーキ 恩人社長と2億円請求バトル!」(『FLASH』1/23日号)
同・第10位「『篠山紀信』追悼『壇蜜』『加納典明』が明かす“レンズの奥”」(『週刊新潮』1/18日号)「篠山紀信と『GORO』『激写』の時代」(『週刊ポスト』1/26日号)

【巻末付録】現代とポスト、SEXYグラビアの勝者はどっちだ!

 今週号を持ち出すまでもなく、毎週の話題は文春が一手に担っているといっても過言ではないだろう。

 今年も、お笑い芸人・松本人志の「性加害疑惑」で大きな話題になり、芸能界のドン面していた松本は「裁判に注力するために休養」という訳のわからない理由でテレビから消えてしまった。

 以前からいっているように、文春一強でいいはずはない。だが、他の週刊誌は文春と競おうという矜持を失い、ただただ毎週、誌面を埋めることだけにキュウキュウとしているように見える。

 もし、文春が何かで躓けば、週刊誌という媒体はなくなるのだろう。危うさを感じているのは私だけだろうか。

 毎回年明けにいっているようだが、正直、今年こそ週刊誌という媒体が生き残るのか休刊してしまうのか、正念場を迎える年だと思う。

 篠山紀信たちが活躍した雑誌「GORO」(小学館)のような時代は二度と来ないだろうが、最近、無性にあの頃が懐かしい。

 篠山紀信(享年83)は太平洋戦争開戦の前年にあたる1940年12月3日、東京市淀橋区柏木(現・東京都新宿区北新宿)で生を受けた。真言宗・圓照寺が生家で、父親は寺の住職であった。写真家の沢渡朔(84)がこう語る。

「彼は当時からすごかったよ。絶対大物になると思っていた。商業写真家として成功するんだという強い決意があったから。

夜は専門学校にも通って、写真について学んでいたもんね。それで3年生になったら、学生の身分にもかかわらず、(広告制作会社の)ライトパブリシティっていう会社に就職して。写真の撮り方を覚えて、すぐに撮りたかったんだろうね」

 1970年に自決した三島由紀夫を死の数ヶ月前まで撮影したり、1980年にはジョン・レノン&オノ・ヨーコのアルバム『ダブル・ファンタジー』のために2人のキス写真を撮り、世界的に話題になった。

 過去に何度も篠山の被写体になった壇蜜(43)はこう追悼している。

「篠山先生との撮影はいつも演者の一人になったつもりで“篠山先生劇場”の中に入れてもらっているようなイメージでした。撮り終わりにおっしゃる“そう、それでいいの”というフレーズをもらうと安心したものです。

先生、寂しいです。お別れ、辛いです。ありがとうございました」

 今週のポストでは、激写で有名になったGOROを特集している。

 残念ながら、表紙だけで、山口百恵やアグネス・ラムなどのSEXY写真はないが、往時を知るよすがにはなる。

 篠山もすごかったが、GOROを出していた小学館の時代を読む目が素晴らしかった。

 明星、平凡などのアイドル写真に飽き足りない私たち若者の心をギュッと掴んだ。

 1974年創刊。そこを舞台に篠山など多くのカメラマンが活躍し、その後の「ヘア・ヌード」ブームへと繋がっていくのだ。

 今は肖像権がうるさいから、当時のグラビアを見るには古書店に行くしかないが、目の飛び出るような値段がついているのではないか。

 アイドルが輝き、それを撮るカメラマンたちにも熱気があり、読者は発売と同時に書店に群がった。

 もう一度いう。嗚呼! あの時代が懐かしい。

 さて、お騒がせ一手販売女優・広末涼子が、所属事務所とCMに対する損害賠償で揉めているとFLASHが報じている。

 鳥羽周作(45)は離婚が成立し、広末も夫と別れたから、再々婚に障害はなくなったと思ったら、元広末のマネージャーだった事務所の社長・井上義久と、2億円ともいわれるCMの違約金について、末広は「一銭も払わない」といい出し、双方が法廷闘争に持ち込む可能性があるというのである。

 広末は、これから先は女優としてやっていくのも難しく、今あるおカネを大事にしたいという心積もりなのだろうか。

 お互い、結婚する意志は失せていないようだが、ワガママで浮気癖のある広末と一緒に暮らしていく覚悟が、鳥羽のほうにあるのだろうか。

 トヨタ自動車の100%子会社である軽自動車大手のダイハツ工業が開発中に行った試験で、大規模な不正が横行していたことが発覚した。

 それにより国内の全工場が稼働停止に追い込まれ、少なくとも1月いっぱいは生産が止まる見通しで、さらに長引く可能性があるとの見方も出ている。

 ダイハツは軽自動車のトップメーカーとしてこれまで築いてきた消費者の信頼を失いかねず、会社存亡の危機に立たされているが、親会社のトヨタの豊田章男会長には責任感がないのだろうかと、ジャーナリストの井上久男が追及している。

 ダイハツの不正を調べている第三者委員会は、一因として三菱自動車同様、実験と認証を担当する部署が同じ開発部門にあったことを挙げている。ダイハツは他社の不祥事を他山の石とすべく、社内点検などを行ってこなかったのだろうか?

 その点をダイハツに尋ねるとこう回答したという。

「他社における不正が発覚した際に、法規で求められている手順を無視した業務フローになっていないかを認証試験準備、臨床試験などのステップごとに点検し、確認したが、不正を監視することが不十分な体制であったという事実を認識することができていなかった」

 広報室は深く反省しているとしている。

 井上は、第三者委員会の委員長で弁護士の貝阿彌誠が記者会見で「(親会社の)トヨタに責任はない。ダイハツの経営幹部が責められるべき」などといったが、果たして本当にそうなのだろうかと疑問を呈している。

 第三者委員会は、「2014年以降に不正の件数が増加している」とも指摘している。ダイハツでは新車開発で大幅な期間短縮に成功した2011年以降、過度なコスト削減を展開し、衝突試験を担う安全性能担当部署の人員を大幅に削減した。トヨタからの委託業務が増えた割には人が減らされ、その結果、不正に手を染めたと見ることができるのではないかと、井上は指摘する。

 トヨタ側に問い合わせると、「小型車を中心としたOEM供給車などの開発が増えた中、それが負担になっていた可能性もあること、また、認証業務の現場がこのような状況になっていたことを認識できなかったことについて、深く反省している」と広報部は語っている。

 井上は、こうしたコメントから見ても、今回のダイハツの不正はトヨタに責任の一端がある見ている。

 昨年春、ダイハツで不正が発覚した後、豊田章男会長は「グループ全体の問題として先頭に立って信頼回復に努める」と語ったが、12月20日の記者会見に豊田会長の姿はなく、その頃、豊田会長は自身がオーナーであるレースチーム「ルーキーレーシング」のドライバーとしてレースに参戦するなどのために、タイに滞在していたという。

 さらに豊田会長は、1月5日に開いた賀詞交換会の挨拶で、ダイハツには一切言及しなかったそうである。

 豊田章男会長はいつから裸の王様になってしまったのだろうか。

 ところで、文春が昨年11月30日発売号で報じていた「特捜部が狙う“萩生田の舎弟”」池田佳隆(57 =元文科副大臣)が、裏金問題で東京地検特捜部に逮捕された。

 池田は愛知県内で家業の薬品メーカーを経営していたが、JCI(日本青年会議所)の会頭を経て、2012年の衆院選で初当選している。ただ、2014年の選挙以降は毎回小選挙区で敗れ、比例で復活していた。

 池田の長女は地元屈指のお嬢様校から青山学院大に進学して、ミス青学に選ばれた美貌の持ち主だという。次女は、地元の名門校から、私大の医学部に進学したといわれ、学費は6年間で3000万円を下らないという。カネがかかるようだ。

 だがその反面、池田は東京に来ては、たびたび銀座の高級クラブに出入りして、モテたことを吹聴していたそうである。

 自民党関係者がこういう。

「池田は本当に女性が好きだと思う。事務所にも華やかなタイプや、アナウンサーっぽい清楚系の女性が秘書として在籍していた。車の後部座席で女性秘書の手を握ろうとするなど、セクハラと受け止められかねない行動もあったようです」

 だが、この程度の小物逮捕でお茶を濁していいはずはない。安倍派を牛耳る巨悪を挙げなければ、特捜部無用論がまた出てくるに違いない。

 しかし、一部報道では、裏金問題を捜査している東京地検特捜部は、安倍派の幹部たちの逮捕はしない方針だというのである。

 特捜というのは昔、元総理でも逮捕する、政治権力が及ばないアンタッチャブルな存在だといわれていたが、今は、政治家に跪き、弱きを挫き、強きを助ける御用組織になりさがってしまったのだろうか。

 世論はこれを許してはならない。岸田ごときに怖れて、安倍派5人衆に手を付けられないのでは、世の中真っ暗闇じゃござんせんか。

 そうであれば、新潮が報じているような“巨悪”森喜朗(86)などに手出しできはしないと思うのだが。

 2012年の引退後も政界に隠然たる影響力を及ぼしてきた森喜朗に、特捜部は重大な関心を寄せていると、新潮は報じている。

 清和会関係者が声を潜めてこう明かす。

「あるベテラン議員は、任意の事情聴取の中で自身と森さんとの関係や5人衆と森さんとの関係などについて根掘り葉掘り聞かれたと言っています。その議員は担当の検事に“表向きは5人衆の集団指導体制で、彼らが派閥の運営を取り仕切っている形にはなっている。しかし、実際には森さんが5人衆にあれこれ指示し、差配している”と証言したそうです」

 社会部デスクもこう話す。

「注目を集めているのが、22年分のパーティー収入に関する還流です。その年は生前の安倍晋三元総理が還流を問題視して、一度は中止を決めていた。ですが所属議員から反対の声が相次ぎ、安倍元総理の死後、事務総長の西村康稔前経産相(61)が還流の再開を決めたのです。特捜部はその再開指示の証拠となる書類も入手しています。

西村氏は還流分について、議員個人が開催するパーティーの収入として収支報告書に記載すれば問題はないだろうという考えでした。しかし、22年8月に高木毅前国対委員長(67)に事務総長が変わると、結局、従前どおり裏金として処理するすることになった。この西村氏と高木氏の一連の意思決定に森元総理が関わっていないはずがない、と特捜部は睨んでいるのです」

 かねてから地元政界関係者の間では、高木は国務大臣への推薦を得るために森元総理に多額の金を上納したのではないかという疑惑が囁かれていたともいうのである。

 特捜部よ、初心に立ち返り、巨悪を眠らせない覚悟を示せ。そうでなければ、もはや特捜部などいらない。多くの国民がそう思うはずである。

 さて、木原誠二前官房副長官の妻の夫殺し疑惑は、息子を亡くした遺族が刑事告訴したが、受理してからわずか50日余りの昨年12月15日、警視庁は「事件性なし」として東京地検に書類送付してしまった。

 これに対し、同月25日、亡くなった種男の母と2人の姉が弁護士3人に伴われて、東京地検を訪問。事件の担当検事と面会したというのだ。

 文春は、そのやりとりをこう記している。

「検事『必要な捜査をしっかり進めていきます』」

 さらに、遺族が抱く捜査の早期終結の懸念に対し、

「検事『じっくりやる案件だと思います。期限を申し上げるのは難しい』」

 検察はいかなる結論を下すのか。注視していたい。

 能登大地震のマグニチュードは7・6だった。熊本地震や阪神淡路大震災の7・3を上回り、そのエネルギーは約3倍に及んだという。

 これは、もうすぐ起こるといわれている首都直下型や南海トラフ地震の「前兆」ではないのか。

 京都大学防災研究所附属地震災害研究センターの西村卓也教授はこういう。

「関連性は薄いと思います。南海トラフも首都直下も能登半島とは震源域がかなり離れていますから」

 だが、立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特認教授はこういっている。

「今回の能登半島地震が知らしめたのはその太平洋プレートの活発な動きぶりです」

 さらに、地震予知に詳しい東海大学・静岡県立大学客員教授の長尾年恭はこんな考えをしている。

「過去の周期から見ると、南海トラフ地震は2030年~40年の間に起こる可能性が高いと言われていますが、その後に振り返った時に、今回の地震は中・長期的な前兆現象と指摘されるかもしれません」

 専門家たちの意見は分かれているが、ここ10年~20年のうちに大きな地震が起きる事は間違いないことなのだろう。

 常在戦場。日々その日のためにどう備えるか。難しいが……。

 まさに弱り目に祟り目である。

 羽生結弦は昨年8月4日に結婚発表するも、わずか105日後の11月17日に離婚を発表した。

 その離婚の理由がメディアの取材攻勢だったとしたことから、羽生や両親、姉への批判が巻き起こり、ファン離れも深刻だと囁かれている。

 そんな中、羽生が3月に仙台近郊でアイスショーを開催する予定だといわれるが、羽生の地元・仙台に開設される新リンク「ゼビオアリーナ」を巡り、騒動が勃発していると文春が報じている。

「通年式のリンクという触れ込みで、上に可動式の特殊な断熱床を引くことで、バスケットボールの試合やコンサートも開催できる施設にするそうです。二四年度に大規模改修工事に入り、二五年度に利用開始の予定です」(地元記者)

 だが、宮城県スケート連盟会長の赤間弘記は表情を曇らせてこう話す。

「市の説明によれば、リンクはプロスケーターのショーやイベントに使い、一般開放はされないそうです。市には複数のフィギュアスケートのクラブチームがあり、フィギュア以外にもカーリングやアイスホッケーのチームもあります。こうしたチームや一般市民にも開放して、みんながスケートを楽しめるようにすべきではないでしょうか」

 正論だと思うのだが、どうやらそうはいかないようである。

 宮城県は荒川静香と羽生という二人の五輪金メダリストを生み出した。それにも関わらず、東北六県で唯一公営リンクがなかったという。

「一昨年春、県スケート連盟が羽生さんに『公営リンク開設に向けて、八月に県知事に陳情書を出す。力を貸してくれませんか』と申し入れたのです」(フィギュア関係者)

 だが、陳情するという8月になって突然、羽生の父親から、「羽生本人が考えるリンクの方向性とは違うので一緒にはできない」という回答が届いたそうである。

「連盟関係者は羽生サイドの回答に大変、落ち込んでいました。そんな中で今回突然、新リンク開設が発表されたのです。連盟側に事前の相談は一切なかっただけでなく、新リンクは連盟が求めてきた『一般市民やアマ選手の練習の場』とは一線を画しており、困惑の声が広がっています」(同)

 新リンクの運営主体は民間企業のゼビオホールディングスで、仙台市は光熱費や人件費などの指定管理料を支払う方針だ。

 その額は年間で最大約3億5000万円、20年間で70億円にもなると試算されているというのである。

 仙台市議の佐藤正昭(自民党)がこう話す。

「七十億円もの税金が投入される以上、新リンクは羽生さんではなく、市民のものです。一人のスター選手も大事だけれど、競技人口の裾野を広げるのも大切。その機会が失われると危惧しています」

 フィギュア関係者もこういう。

「いまの状況は羽生さんらプロ選手だけが仙台市から優遇されているようにも映る。羽生さんが自分のことしか考えていないようにも見え、彼にとっても良くないのでは」

 羽生はもはや過去の人。そう地元から突き放されないよう、早く自分の足元を見つめなおしたほうがいいと思うのだが。

 ところで、新聞とテレビは大きく扱わないが、北陸電力の志賀原発は主電源喪失、燃料プールから水が漏れていたと文春が報じている。

 志賀原発は地震発生後も堅牢そうな発電所の外観は一見、平時と何ら変わりないように見えた。

 北陸電力も地震発生後の1週間、「外部への放射能の影響はありません」と繰り返しアナウンスしてきた。だがそうではなかったというのである。

 政府の諮問機関である「原子力委員会」委員長代理を務めた長崎大学の鈴木達治郎教授はこういう。

「原子力規制庁や北陸電力による映像などの情報開示が乏しい中、大変な懸念を持って推移を見ています。二〇一一年の福島第一原発事故以降、原発にこれほどの危機が差し迫ったのは、間違いなく初めてのことでしょう」

 電源トラブルが起きていたというのである。

 全体841kVのうち、実に6割を占める500k Vもの外部電源を失っていたのだ。

「いわば“主電源”を失った状態と言えます。一刻も早く復旧することが必要です。原発では、電源の確保は何より重要なのです。福島では予備電源も含むすべての電源を失ったことから炉心溶融(メルトダウン)などの深刻な事故につながってしまった。今回は予備の電源が生きていたことから、危険な状態には至らずに済んでいるのです」(同)

 原発の敷地内では地震の爪痕が次々と見つかり、北陸電力が連日報告している。

 主電源への深刻なダメージとともに注目すべきは、使用済み核燃料プールであると文春は報じている。

「この二つのプールから計四百二十一リットルの放射性物質に汚染された水が漏れ出し、建物内に溢れたのだ。しかし溢水に伴い、プールの冷却ポンプも一時的に停止していた。現在、水位は保たれ、核燃料の冷却も継続しており、『外部への影響はない』と北陸電力は主張する。だが溢れた水は、当然、人体に影響するものだ。
さらに空気中の放射線量量を測定するモニタリングポストの故障もあった」(文春)

 元京都大学原子炉実験所助教授の工学者・小出裕章がこう話している。

「モニタリングポストは住民避難のために必要なものです。今回は放射能を外部に出す事態にまではなっていませんが、もしそうした重大な事故があった場合、線量のデータがなければ、どう逃がしていいかも判断できないことになる。本来であれば、絶対に壊れてはいけない設備です」

 同程度の余震が再び襲うことになればどうなるか。

 先の鈴木教授はこう語っている。

「大変心配される局面です。設備のあちこちに破損があり弱っているところに、もう一度大きな余震があった場合に果たしてどうなるのか。今は機能している残った外部電源をはじめ、設備がそれに耐えられると言い切れるでしょうか」

 原発を次々に再稼働させるというバカなことは即刻やめろと、今回の能登地震は我々に教えてくれている。

 さて、今週の第1位も文春の松本人志の性加害疑惑報道に捧げたい。

 この報道以後、強気でテレビの出演を続けるのかと思われていた松本だが、一転、訴訟に注力したいので、その期間は休むといい出し、彼の冠番組を持つテレビ局を大慌てさせている。

 だが、松本は何を争うのだろう。女性たちを集め、松本に献上したといわれているスピードワゴンの小沢一敬は、最初は「一部週刊誌の報道にあるような、特に性行為を目的とした飲み会をセッティングした事実は一切ありません」と全面的に否定していたが、これまた一転、所属事務所のホリプロコムが、小沢から、「芸能活動を自粛したい旨の申し出があった」と発表したのである。

 そうなると、松本との飲み会をセッティングした「事実」は間違いないようだ。

 今週の文春が報じているように、小沢だけではなく、松本の取り巻き連中が女性たちに声をかけ、高級ホテルのスイートルームで松本と女性たちを引き合わせたことも間違いないようである。

 となると焦点は、松本は彼女たちとSEXしたことはあるが、それが合意の上だったのか、性加害といわざるを得ない行為だったのかだが、今週号を読むと、どうやら松本たちは、女性たちを単なる性的玩具としてしか見ていなかったのではないかと思わざるを得ないのだ。

 本題に入る前に、文春の最初の記事が出てから、そこで性被害を訴えたA子のLINEが流出したことに触れておきたい。

 1月5日の週刊女性PRIMEは、女性が小沢に「お礼のメール」を送っていたと報じた。

「本当に素敵で…」「最後までとても優しくて」「今日は幻みたいな希少な会をありがとうございました」「松本さんも本当に本当に素敵で」

 その記事を受けて松本がXに、「とうとう出たね」と投稿し、勝利宣言をしたのだ。

 これだけ読めば、性加害を受けたはずのA子がなぜ?と思えるが、被害女性にはこうした行動がよくみられるそうである。

 文春に対してA子は、

「なぜ、お礼LINEが“性的合意”の証明になるのですか。このメッセージを送った時はパニック状態にありました。全裸で高圧的に迫ってきた松本氏を拒否したため、男性陣が謝罪する姿を目の当たりにした直後であり、最後まで対応しなかったことをむしろ自分の非のように感じていました。

芸能人の卵だった私は『どうか穏便に見逃してほしい』と、反射的にお礼の文言を書いてしまいました。

いま思えば全て彼らの計画通りだったのです。これまでどれだけの女性が同じ思いをしてきたかを想像するだけで吐き気がします。ここまで漕ぎ着けるのに八年もかかったことが悔しくて仕方ありません」

 と語っている。

 NPO法人レイプクライシスセンター代表で弁護士の望月晶子は、「こうしたLINEを拡散することは、まさにセカンドレイプです」と批判している。

 今週の文春は、前号で報じたようなSEX目的の女性集めは、ほかの取り巻き連中でも行われていた、「SEX上納システム」というべきものがあったと報じている。

 松本が不定期に出るバラエティの収録で福岡を訪れていた2016年6月6日のことだったという。

 松本が福岡を訪れる数日前、福岡市在住のC子は友人女性から、「お笑いコンビ『パンクブーブー』の黒瀬純さんの後輩芸人と、みんなで飲み会をしよう。VIPも来る」と誘われたそうだ。

 福岡の高級ホテルである「グランドハイアット福岡」で、3人の女性たちを迎えたのは2009年M-1王者の黒瀬であった。

 上階にある1泊約20万円の「グランドエグゼクティブスイートキング」に行ったそうだ。

 そこで松本は、女性陣に自慢の大胸筋を触らせた後、結婚について次のような持論を展開したという。

「有名人と結婚して不倫すると嫁さんや相手の事務所にも迷惑がかかる。だから俺は素人と結婚したんや。有名人と結婚したら遊べへん。有名人と結婚する人は凄いわ」

 その日のことをC子はこう語っている。

「キスをされ、抱き寄せられ、最後は性行為をしてきました。三十分ほどの行為の後、別々にシャワーを浴びて、リビングで五分ほど談笑しました。(松本は)黒瀬さんに連絡を入れたのか、彼らも部屋に戻ってきた。それから間もなく、黒瀬さんはチャックのついた小さなポーチから『タクシー代』と言って、五千円を差し出してきました。
それを受け取ると、松本さんたちは『じゃあバイバイ』と。それを聞いたとき『松本さんって、いつもこんなことしてるんだ』と、心底虚しくなりました」

 この日から遡る2015年11月の第一回放送の収録後も、黒瀬は知り合いの女性を手配し、松本に上納していたという。

 約3カ月ごとに訪れる福岡の収録後に、夜ごと行われていたのが、黒瀬ら後輩芸人たちによるよりどりみどりの性接待だったようだ。

 彼らは周囲に、アテンドの苦労を次のように口にしていた。

「松本さんが福岡に来るたび“接待”をしなきゃいけない。しかも、毎回新しい女の子を集めなくちゃいけないんだけど、正直もう呼べる女の子いないよ」

 大阪でも同じようなことをしていたそうである。

 大阪在住のD子が友人の医療関係者から飲み会の誘いを受けたのは、2019年10月のことだったという。

 大阪随一のホテル、リッツ・カールトン大阪。彼女たちを迎えたのは、吉本興業所属のお笑いコンビ『クロスバー直撃』の渡邊センスだったという。ホテルの玄関で彼らを出迎えたのは、芸人のたむらけんじだったそうだ。

 男性陣は放送作家Xを含めて4人。たむらは一人ひとりを寝室に呼び出してこう質問したという。

「今日、誰が良かった? 今から誰と二人で飲みたい? 松本さんはどう?」

 性的な意図を察知したD子が「みんなで飲みたいです」と松本とのツーショットを拒むと、たむらは執拗に「松本さんとかええやろ?」とたたみかけてきたという。

「やっぱり最後はこういう目的のために呼ばれたんだ、と思いました。結局、私の友達が松本さんの部屋に残り、私を含めた他の全員が部屋を出ることになりました。別れ際、たむらさんから『はい、これ』と三千円のタクシー代だけ渡され、帰らされました」

 D子がこう続ける。

「後で知ったことですが、私の周囲でも大勢の子が松本さんの部屋飲みに誘われ、最後は性行為をするように仕向けられていました。女の子を集めるのは、いつも渡邊さんでした」

 2015年の夏、E子は渡邊と親しい人間から誘われ、リッツカールトン大阪に行ったという。

 やはりたむらに寝室に呼ばれ、松本といたいか聞かれたが、E子は拒否したそうである。

「私は『いつもこんなことやってんのか』と心底呆れました。私はXを連れて部屋を出て『あんたら、こんなことばっかりやってんの?』と聞いたところ、彼は『あー……』と。その後、タクシー代を渡されて帰りましたが、結局、その日は友人が松本さんに献上され、エッチをしたと本人から聞きました」

 文春がこうしたことをいつもやっているのかという内容の質問を吉本興業に送った約4時間後に、吉本興業は松本の活動停止を発表した。

 日刊スポーツ(1月11日6時0分)によれば、

「たむらは飲み会については事実としつつ、性行為を目的としたものではないと主張。女性に好きな男性のタイプなどを聞いたことは認めた。記事中にあった女性を松本らと2人きりになるよう仕向ける『たむけんタイム』については『言わないです。人生で言ったことがない』と否定。『そんな事実は本当になくて、そもそも松本さんに対しても失礼。絶対にそんなことはしないです』と語った。

被害を訴えた女性へ向けては『不快な思いをしたから、こういった話をしたんだと思う』とし、『そこに関しては謝りたい。すみませんでした』と謝罪。『何がだめだったのか、もう1度よく考えて反省すべきところは反省して次に向かいたい』と思いを語った」

 これらを総合すると、松本に会わせるための女性集めや、ホテルでの飲み会については事実であったことは間違いない。

 争点があるとすれば、女性たちが松本とのSEXを「容認」していたのか、「性加害」だと受け止めていたのかというところだろう。

 松本が告訴するとすれば、性行為の事実があったかどうかを争うことはできないから、名誉毀損で訴えるのだろう。そうなれば、文春側は女性たちを法廷に証人として呼び、いかに松本から性的加害を受けたかという話をさせるのではないか。

 それが何度も文春を始めとした週刊誌やワイドショーで報じられることになる。

 松本は、そうしたことに耐えられるだろうか。

 また、名誉棄損裁判で松本が勝訴したとしても、テレビに復帰できるとは思えない。例え、これまでのようにテレビに出ても、茶の間の視聴者は、彼の言葉に素直に笑ってはくれないだろう。

 明石家さんまはこの問題について、「松本の件は松本が決めたこと。子供のためが大きいような気がする」(スポーツ報知1月13日 22時43分)と話している。

 松本の本心は、裁判のための活動休止ではなく、これを潮に、テレビの世界、お笑いの世界からの「引退」ではないか。そう私は思っている。(文中敬称略)

【巻末付録】
 まずは現代から。
「福来る 春を呼ぶ女神たち」。巻頭の深田恭子がいい。「グラビア写真館 谷崎潤一郎『痴人の愛』川道さら」

 お次はポスト。
 袋とじ「仁藤さや香/茂みのほうへ」。もう一つの袋とじ「最後だからぜんぶ見せちゃう! 三上悠亜」
「発光する白肌 七沢みあ」

 現代はいつまでヘアヌードを我慢できるのか。ポストが現代を部数で抜くか? 生き残りを賭けた戦いには違いない。