昨年最大のヒットドラマとなったTBS系『VIVANT』の世界進出が「大コケしている」と報じられ、その原因をめぐって議論が巻き起こっている。
『VIVANT』は誤送金事件から世界規模の謎へつながる壮大なストーリーで、堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、役所広司、二宮和也、松坂桃李ら豪華キャストが集結し、大規模なモンゴルロケを実施するなど史上空前の規模で撮影。
見逃し配信の再生数でも圧倒的な強さを発揮し、その勢いに乗って昨年12月から190以上の国と地域に向けてNetflixでの世界配信を開始。ところが、17日付の「デイリー新潮」(新潮社)によると、日本ではテレビ部門でランキング1位を獲得するなど好調だったものの、海外でトップ10入りしたのは台湾だけ。その台湾でもわずか1週で圏外に落ち、海外でほぼ「反応なし」という状態になっているという。
その一方、往年の人気コミックを実写化した北村匠海主演のNetflixシリーズ『幽☆遊☆白書』は同時期の配信で海外でもヒットしており、『VIVANT』の苦戦が際立っているようだ。
海外で予想外の「大コケ」となった原因について、同記事では「(原作と演出を手がけた)福澤克雄監督が自身も認める『ラブストーリー下手』で、海外視聴者が求める“ラブ”要素を描けなかったのでは」と考察されている。
これに対して、2ちゃんねる開設者の「ひろゆき」こと西村博之氏は18日付のSNSで、海外の視聴者が感じる点として「砂丘は他国では結構あるので驚かない」「中央アジアの社長が日本人顔で日本語しゃべる違和感」「高額でも誤送金は『会社辞めればよくね?』で命を賭ける理由がわからない」「砂漠の小屋の唐突なスタジオ撮影感」と指摘。その上で「日本人向けだから仕方ないか。。」と記している。
さらに、ネット上では大コケの原因について「日本ではスケールが大きくて特別感があったけど、海外ドラマと比べると普通だから注目されなさそう」「日本のドラマの中ではストーリーが新鮮だったが、海外だと別に珍しくない内容」「『別班』の名称とか、謎解きが海外の人には分かりにくいと思う」といった意見が上がっている。
『VIVANT』に限らず、昔から日本のドラマは「海外ウケが悪い」といわれてきた。
いずれにしても、近年まれにみる大ヒットを記録した『VIVANT』が海外で大コケとなると、続編の可能性に影響が出るだけでなく、今後の日本ドラマ界の海外戦略を見直す必要すら出てきそうだ。