筒香嘉智(写真/Getty Imagesより)

 2019年限りでDeNAを離れて米メジャーリーグなどでプレーした筒香嘉智が4月16日、古巣に入団することが決まった。筒香を巡っては「巨人入り決定的」などと真逆の報道をしたことで混乱を招いたスポーツ紙が謝罪する事態に発展している。

 筒香の名前に合わせて午後2時25分(225つつごう)に球団が入団を発表。4月18日には本拠地横浜スタジアムでファン同席のもと会見を開いた。契約は3年間で今年、来年は推定年俸3億円。3年目以降は成績に応じた変動制を敷くことになった。

「筒香を巡ってはセ・リーグ、パ・リーグの複数球団が獲得を目指して交渉を申し出た。ベイスターズでは引退後のキャリアも提示したようで監督、あるいは指導者手形を切ったという話もある。

ベテランになって古巣から身分保障を含めた待遇を提示されたのであれば、気持ちは一気に傾いたのではないか」(在京球団スタッフ)

 さて、筒香の移籍報道では今回大きな誤報を出した新聞社があり、ファンや関係者の反感を買っていた。

「当初より報道を先行していたのは日刊スポーツでした。筒香と旧知の記者が在籍しており、細かい情報を常日頃からフォローしていたことが実を結んだのでしょう。一方で派手にやらかしたのはスポーツニッポン。先行するニッカンの報道に焦ったのか、4月8日には筒香の『巨人入りが決定的』と大きく報じてしまった。その後、ニッカンやテレビ局が相次いで『DeNA入り』を報道。

今回正式に移籍先が決まったことで、スポニチのDeNA担当公式SNSでは『筒香選手復帰です。弊紙報道についてお詫び申し上げます。今後細心の注意を払い報道を進める所存です。改めて申し訳ありませんでした』とポストしています。DeNA、巨人両軍関係者からも『スポニチは何やってるんだ!』と憤りの声が多数聞こえてきます」(在京テレビ局スポーツ番組スタッフ)

 今回は巨人入りが「決定的」と断言したことが仇となったわけだが……。

「新聞では主にスポーツ選手の移籍問題を報じる際、可能性が低い順に“有力”“濃厚”“確定”“決定的”の4種類を使い分けています。

決定的は複数ルートでの裏取りを行い記者が勝負に出たもの。仮に巨人入りとなれば社内表彰を受けるレベルでした。一方で決定的と報じて空振れば媒体の信用問題にも直結する。担当記者は経緯報告書、反省文を書かされて編集会議で吊し上げされることもままあります」(スポーツ紙野球デスク)

 今回はスポニチがやらかしたことになったが、裏を返せばニッカンの筒香DeNA入りの報道は実にお見事だった、ということだろう。