楽天・田中将大(写真/Getty Imagesより)

 日米通算200勝まであと3勝に迫っている楽天・田中将大投手に不穏な空気が流れている――。

 田中は昨年10月に右肘のクリーニング手術を受け、今年2月に沖縄で行った春季キャンプでは1軍で参加。

その後オープン戦でも登板していたが……。

「3月に入ってから2軍調整を命じられ、ファームの試合で投げていました。ところが往年の150キロを超えてくるような速球は見当たらず140キロ前後しか出ない。すると4月11日は永井怜投手コーチが『投げる感覚が良くなれば次の登板日を決めると思います』とコメント。いわば“登板白紙”状態になってしまい、このままでは無期限で2軍調整を強いられることになります」(球団関係者)

 2021年に米メジャーリーグから楽天に電撃復帰した田中に関して、球団は今でも功労者として扱っている。

「三木谷浩史オーナー肝いりの入団交渉で、推定最高年俸は9億円。

球団の年俸予算をオーバーしてしまったことから、球団グループ会社・楽天モバイルの広告キャラクターに起用することで捻出しました。ところが携帯電話事業が上手くいかず、球団もそのあおりを受けている。現在、JR仙台駅構内には大きな田中将大の顔写真が使われた楽天モバイルの広告が複数枚掲示されていますが、全く戦力になっていない選手がイーグルスの顔ということ自体、無理があるが、無論それを誰も本人に言えない。昨オフには安楽智大投手(現メキシコシティ・レッドデビルズ所属)のパワハラ問題に加担していた疑惑が報じられ、ファンの人気も急落。球団が募集している田中将大個人ファンクラブも入会者数が芳しくありません」(同前)

 楽天復帰後の田中は決して調子が良かったわけではないが、これまで基本的に2軍で調整することはなく、チーム内でも不満の温床となっていた。

石井一久前監督時代は、2軍で調子が良い選手がなかなか1軍に昇格できないことが多々ありました。

その一方で、不調の田中はずっと1軍に留め置きされていた。そのため関係者からは『マー君ばっかり優遇しやがって』と、反感を買う一因となった。さらに“球団の顔”を失ったことでファン人気は低迷。球団は人気回復のため、平日を中心にさまざまな形で招待券をバラまきしているそうですが、優勝争いを演じることさえ難しくなってきた楽天に魅力を感じないのか、昨年から客足は遠のく一方です」

 今年でチーム誕生20年となった楽天。最近まで現役選手としてプレーしていた楽天OBは「チームの身売りとかいろいろな問題が一気に噴出している。ここら辺りで球団もチームも一度解体した方がいい」と厳しい言葉を投げかける。

 田中のみならず球団自体が過渡期を迎えているのである。