香川照之(写真/Getty Imagesより)

 俳優の香川照之がテレビドラマと映画に復帰するとの情報が持ち上がっている。復帰の立役者となるのは、多くの作品で共演してきた木村拓哉だという。

 香川は2022年に銀座のクラブでのホステス女性への狼藉を報じられ、女性がPTSDを発症するなどした重大な性加害問題として猛批判を浴びた。その影響で地上波テレビから完全に追い出され、トヨタ自動車などのCMも全降板。同年12月に歌舞伎俳優・市川中車として舞台復帰は果たしたものの、映像作品での活動は難しいと悟ったのか、2023年に発表した声明では歌舞伎と大好きな昆虫に関する活動に注力していくと表明した。

 もう映像作品で香川の姿を見ることはないかとも思われていたが、そんな彼にTBSが救いの手を差し伸べたと複数のメディアで報じられている。

 TBSと香川の縁は深く、同局は大ヒットドラマ『半沢直樹』をはじめとした数々のドラマで香川を重用してきた。『半沢直樹』は香川のアクの強い演技があってこそのヒットだったという見方もあり、いまだに彼の業界内での評価は高い。

 複数の報道によると、TBSがオファーしたのは2019年に木村が主演したドラマ『グランメゾン東京』の続編となるスペシャルドラマと劇場版への出演。今冬に新作スペシャルドラマが放送され、来年1月ごろに劇場版が公開される予定だというが、これに香川を起用するというのだ。

 TBSにその気があっても、同ドラマの看板である木村がうんと言わなければ実現は難しいだろう。しかし、木村と香川は映画『HERO』、TBS系ドラマ『MR.BRAIN』、同局系『南極大陸』、テレビ朝日系スペシャルドラマ『宮本武蔵』、同局系『アイムホーム』などで共演し、仲がよいことを両者とも公言している。

 木村は俳優として香川を尊敬しているともいわれ、そうなると木村が香川の窮地を救いたいという思いから共演を了承する可能性はありそうだ。香川が出演するとなれば、よくも悪くも話題性は大きく、作品への注目度が上がるという計算もあるだろう。

 気になる香川の役柄は、18日付の日刊ゲンダイによると「コロナで傾いてしまった木村の店を強引に買収しようとするIT長者役」とされているが、クセの強い悪役となればまさに香川の本領発揮で、作品が盛り上がることになるだろう。

 ただ、いきなりテレビでガッツリ復帰するのは難しいとの見方もあり、新作スペシャルでは顔見せ程度で、劇場版のメインキャラクターになるという予測もある。

 俳優としての実力は誰もが認めるところなので、復帰を歓迎する人は多そうだ。実際、ネット上では「あの鬼気迫る演技をもう一度観てみたい」「やり過ぎた失態ではあったけど、相手に謝罪し、和解もしているので復帰は賛成」といった意見が散見される。その一方で「もう顔を見たくない」「あんなことをやったのに復帰できたら芸能界は甘すぎ」などとして、嫌悪感を抱く人も少なくないようだ。

 香川が地上波復帰したら『半沢直樹』の続編にも期待が持てるが、はたして木村との再共演は実現するのだろうか。