【第49回】「高須幹弥センセイ、新庄剛志の整形は成功ですか?」
元プロ野球選手の新庄剛志が、9月27日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)で整形をカミングアウトした。「自分の顔に飽きた」との理由から、街で見かけた美容整形にふらっと立ち寄り、所持金の100万円以内でマイケル・ジャクソンにしてほしいとリクエスト。
■実はコンプレックスだった!? 整形から垣間見える新庄の心情
整形を希望する患者さんは、自分の顔にコンプレックスを持っていて、生まれ変わりたいと思っているネガティブ思考の方がほとんどなので、新庄さんのように「飽きた」という理由で整形に踏み切る人は、めったにいません。新庄さんの場合、思い付きという点や、ポジティブ思考で明るい性格から考えて、もっとイケメンになって、よりいい人生にしようという、ステップアップの意味合いが強かったのかなと感じます。
■新庄の整形は危険な行為
整形後の顔を見て、明らかに変わったと感じたのはエラ。ずいぶんほっそりしましたよね。通常、エラの骨を削るときは口の中から行うので、顔の皮膚を切開することは、ほとんどありません。また、全身麻酔を使った手術になるため、事前に血液検査をしたり、前日から絶食したりと準備が必要なので、訪れたその場で施術するケースは稀です。金額も、施術料だけで優に100万円を超える上、麻酔代や入院費などもかかるので、新庄さんの出した条件にはあてはまらないように感じます。
でも、もし新庄さんの言う通り、訪れた日にエラの骨を削り、3つの施術を100万円以下で行っていたとしたら、ちょっと怪しい香りがしますね。そもそも、世の中には、まともではない医師もたくさんいますので、何の下調べもなく、目についたクリニックでその日に施術を受けるというのは、とても危険な行為です。
エラ以外では、フェイスリフトと目の切開を受けたとのことですが、テレビで見ただけではよくわからないというのが正直なところです。新庄さんはフェイスリフトを「ガーッと切ってベロンとめくって、ホッチキスで止めて……」と語っていましたが、見た感じそれほど大掛かりではないようですし、目も、切開しているとしてもほんのわずかでしょう。
そのため、施術前と大きく変わったのはエラくらいで、顔全体の印象はあまり変化がありません。
アートメイクは化粧をしているように見えるので、男性が施すと“オネエ”のような雰囲気になって、違和感を与えてしまうんです。さらに、以前『しくじり先生』(テレビ朝日系)に出演したときはカラーコンタクトも着けていたため、より異様な雰囲気の印象が強くなってしまったのでしょう。アートメイクに関しては、新庄さん自身も「失敗だった」と言っていますが、僕もやらないほうがよかったと思います(笑)。ちなみに、アートメイクはレーザーで消すことができるのですが、レーザーには永久脱毛の効果もあるので、眉毛が生えてこなくなる可能性もあるんですよ。
■マイケル・ジャクソンになるはずが……
眉毛を除けば、整形後の新庄さんは十分イケメン顔になっているので、あとは、アンチエイジングで若さを維持していけばいいと思います。ただ、マイケル・ジャクソンになっているかは微妙(笑)。マイケル・ジャクソンは整形でエラを出していたので、新庄さんの整形前の顔のほうが、近い輪郭をしていたんです。マイケル・ジャクソン自身が整形を繰り返しているので、どの時点の顔に近づきたいのかということもありますが、仮に最後のほうの顔だったとすれば、今回の施術で逆に遠ざかってしまったことになりますね(笑)。
高須幹弥(たかす・みきや)
美容外科「高須クリニック」名古屋院・院長。
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