ウィノナ・ライダー(46)のガチ怖演技で話題の『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン2に出演しているチャーリー・ヒートン(23)が、同作のプレミア上映会に出席するためロサンゼルス国際空港に到着した直後、麻薬探知犬にコカインのにおいを嗅ぎつけられてロンドンにとんぼ返りした。その上、3歳になる子どもがいることが発覚。

出産したのは大阪出身の元交際相手アキコ・マツウラ。ビートたけしの一発芸に由来するノイズロックバンド「コマネチ」を一緒にやっていたアバンギャルドな日本人女性だという。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』は、1980年代のインディアナ州の平和なド田舎を舞台に、超自然現象と超能力を研究する国立研究所付近で失踪した12歳の少年ウィルを救い出すために、少年の友人や超能力を持つ少女、少年の母親ジョイスたちが超自然現象や邪悪なものと戦うSFホラーミステリードラマだ。何よりその巧みなストーリー展開に世界中が熱狂している。さらに、ほぼすっぴんで半狂乱になりながら息子を捜す母親役のウィノナの年相応の老けっぷりと鬼気迫る演技が怖いと話題になった。

 チャーリーは、失踪した少年ウィルの兄ジョナサン役を演じている。
写真撮影が好きで、線は細いが優しくて勇敢なジョナサンはウィルより4歳年上という設定で、シングルマザーであるジョイスにとって頼りになる存在という重要な役どころだ。

 Netflixで配信開始されたばかりのシーズン2にも出演しているが、10月26日に開催されたシーズン2プレミア上映会は欠席。大手ゴシップ芸能サイト「TMZ」によると、チャーリーはロサンゼルス国際空港の麻薬探知犬による荷物検査で、少量のコカインを所持しているのを発見され、前科がなかったため「アメリカへの入国申請を取り下げれば逮捕は免れる」こととなり、そのままロンドンにとんぼ返りしたため、上映会には出席できなかったという。情報筋の話として「再び申請書を提出すれば、アメリカに入国できる」と伝えた。

 30日、チャーリーは米大手芸能誌「People」を通して謝罪声明を発表。「アメリカ移民局で問題が生じたが、是正されるよう手配を進めている」と弁解し、「逮捕されたとか、罪を告発されたとかではありません」と主張し、プレミア上映会を欠席したことを謝罪した。


 英大手タブロイド紙「デイリー・メール」は、チャーリーの母と姉からこの騒動についてのコメントを入手。50歳の母親は「チャーリーは過去にもドラッグなんてやったことないわ。マスコミによるでっちあげよ。私は母親であって事務所の人間じゃないから、あまり多くを語れないけどね」と言いつつ、「その後、受けた尿検査と毛髪検査の結果は両方とも陰性だったのよ」と明かした。そして、発見されたコカインはチャーリーのものではなく「知らない間に誰かに入れられた」のだと主張。どうやって入ったのかについては不明だと言いつつ、「バーとか、パーティーとかで。
誰もがこういう被害にあう可能性があるのよ。恐ろしい」と身震いした。

 32歳になる姉も、「チャーリーはドラッグを運んでいたわけじゃない。検査をしてシロだってこともわかっているのだし」と強調した上で、「2週間前に行ったパーティーが怪しいと思う。パーティーでは何が起こっても不思議じゃない」「お酒を飲んでいるときは自分の持ち物なんて気にしないでしょ。お店にいた時に入れられたのかもしれないわ」と母親と同様の推測を披露している。


 さらに姉は、ロサンゼルス国際空港の移民局がチャーリーを3時間も拘束して繰り返し尋問したことや、電話をすることを許可してもらえなかったこと、弁護士も頼めなかったことについて「憤りを感じる」とも言い、アメリカの移民局は、チャーリーが有名人だからターゲットにしたのだと怒りをあらわにした。 

 そんなコカイン騒動の真っ只中、独身のチャーリーに3歳の息子がいることが発覚したのである。

 英大手タブロイド紙「ザ・サン」は現地時間29日、チャーリーの元交際相手で「コマネチ」というバンドの仲間だったアキコ・マツウラが、2014年5月にチャーリーの息子を出産していたと報じた。2人は同い年で、10代の頃に知り合い意気投合。お互いベタ惚れで、20歳の時に愛の結晶である男児が誕生したのだと伝えている。

 チャーリーとアキコはすでに破局しており、息子はアキコが引き取り育てているが、チャーリーも父親としてできることはしており、友好な関係を築いているという。


 アキコは、イギリスのノイズロックバンド界では知られた存在だ。アート/ノイズロックバンドの「PRE」、ノイズロックバンドの「コマネチ」、ノイズポップバンドの「ザ・ビッグ・ピンク」などを渡り歩いてきたドラマーでシンガーである。

 10年に行われた英アート&エンタメ情報サイト「list.co.uk」の特集インタビューで、アキコは、「私の父と母は大阪でBBQ(焼肉)レストランをしていた」「バンドをする前は美術学生だった」と語っている。ノイズロックバンド界でカリスマ的人気を誇っている「コマネチ」について、「これは日本のジョークなの。ナディア・コマネチは14歳の時彗星のごとく現れてチャンピオンになった。思いっきりハイレグのレオタードを着て、みんなそれを見てて。
説明するとつまんなく聞こえるけど、日本人にはわかるジョークなの。日本人がこのバンドの名前聞いたら、みんな『あのコマネチか!』って思うはず」と説明した。

 そしてアキコは、「有名になりたい! とかいう野望はない。バンドを始めたのは楽しいから。レーベルとかアルバム制作とかは自ずと付いてくるもの。恋人関係と同じよ。すぐに『結婚したい』なんて思わないでしょ? ただ一緒に楽しみたいだけってこともある」とサラッと発言。「私たちのアルバムはやかましい。ライブも荒々しいし。アルバムは1つの次元であって、ライブっていうのは交流なのよね。観客には帰る時『WTF?(What the fuckの略。『マジかよ!』というような意味合い)』って思ってほしい」と言い放つアバンギャルドぶりも見せていた。

 アキコはライブで下着姿などを披露することも多く、サイドプロジェクトとして「スパーム・ジャベリン」という、直訳すると「精液の投げやり」というすごい名前のバンドでも活躍している。08年に大阪の難波ベアーズで行われた「メリー・クリトリック・リス・ワンマンライブ」のスペシャルゲストとして来日ライブも行うなど、精力的に活動するアキコのスーパーウーマンっぷりにチャーリーも惹かれたのかもしれない。

 チャーリーの恋愛事情はというと、今年に入ってから『ストレンジャー・シングス』で共演しているナタリア・ダイアーと手繋ぎデートしている姿がパパラッチされるようになり、彼女と交際しているものと見られている。ナタリアはチャーリーとの交際を認める発言はまだしておらず、当然今回のコカイン騒動、子ども発覚についても何もコメントを出していない。

 コカイン騒動の直後に隠し子報道が写真付きで出たため、「コカイン騒動から目をそらせるために、チャーリー側がリークしたのでは?」という意地悪い声も上がっている。しかし、チャーリーが息子の存在をひた隠しにしていた様子はない。おそらく今回のコカイン騒動で「ほかにも何かあるんじゃないか」とマスコミが調べた結果、浮かび上がってきたのだろう。

 『ストレンジャー・シングス』で彼の母親役を演じているウィノナも、08年にロサンゼルス空港発ロンドン行きの英国航空機のファーストクラスで、精神安定剤を“うっかり”過剰摂取し、10時間のフライト中2回もぶっ倒れ、空港に到着後すぐに病院に搬送されたという騒ぎを起こしている。親子役の2人が9年の時を経て、空港&薬がらみの騒動を起こしたことに、なんとも不思議な縁を感じずにはいられない。

 同シリーズはすでにシーズン3の製作が決定している。チャーリーが無事アメリカに入国でき、撮影に参加できることを祈るのみである。