2024年2月、大谷翔平と水原一平(C)GettyImages

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 健康被害が広がりを見せる小林製薬の「紅麹」薬害問題。

そもそも問題となっている“機能性表示食品”は、安倍晋三元首相による「アベノミクス」の目玉として解禁されたもので、当初から安全性が疑問視されていた。しかも小林製薬は、安倍元首相が代表を務めていた政党支部などに、長年にわたって献金し続けてきたとの報道も。どんだけ――!! 負の遺産を残しているのか、開いた口が塞がらない。

目次

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
大谷翔平元通訳・水原一平氏の違法賭博問題に裏社会との関係?
大谷本人の関与の有無を客観的に検証しない日本マスコミ
昭和の雰囲気が漂う中森明菜と松田聖子の「ライバル物語」
今週も止まらない羽生結弦関連のネガティブ記事

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3

第693回(4/4~4/9発売号より)
1位「大谷翔平 衝撃『水原一平元通訳の命が危ない!』」(「女性セブン」4月18日号)
2位「中森明菜 『58歳のありのまま見せる!』不屈奮起にライバル聖子」(「女性自身」4月23日号)
3位「羽生結弦 『また大切な人が去った』デザイナー恩人が失意の休業」(「女性自身」4月23日号)
同「羽生結弦の元妻に浮上した“経歴詐称”疑惑の真相」(「週刊女性」4月23日号)

大谷翔平、元通訳・水原一平氏の違法賭博問題に裏社会との関係?

 「女性セブン」の大谷翔平関連報道が怖い。前回、元通訳の水原一平氏の違法賭博と窃盗問題の背景に、米国での“大谷をターゲットとした謀略”が存在し、その意図は“大谷を潰す”ことだとぶち上げた「セブン」。そして、そのおどろおどろしい謀略論的な論調は今回も続き、なんと「一平氏の命が危ない!」との衝撃情報を掲載したのだ。

 記事によると概要はこうだ。

一平氏が絡んだ違法賭博事件だが、FBIだけではなくテロ対策を軸にしたDHS(国土安全保障省)なるアメリカ最大の捜査組織が捜査に乗り出しているという。今回の違法賭博の背後に、国際テロ組織のような“巨悪”の存在が疑われ、賭博マネーが裏社会に流れている可能性があるからだ。

 一方、当事者である一平氏は事件発覚以降、まったく姿を目撃されておらず、消息不明な状態が続いている。その理由として、一平氏には「裏社会からさまざまな脅しがあったはず」であり、「命の危険を感じる瞬間があったとしても当然のこと」だというのだ。

最大の問題は、大谷本人の送金関与の有無

 一平氏が真実を語ることを裏社会は恐れているということか。違法賭博にかかわった一平氏が、裏社会から口封じされる可能性があるということか。またしてもワールドワイドでスケールのでかい陰謀話をぶち上げた「セブン」。

 しかし、こうした陰謀論まがいの話が信憑性を持って語られるのも、今回の問題が米国を舞台にした、違法なそしてスーパースターを巻き込んだ巨額な賭博問題だからだろう。実際、本人が全否定したとはいえ、米メディアでは大谷の関与をいまだ疑う報道もある。

 また日本でも「週刊文春」(文藝春秋)が大谷の代理人のネズ・バレロ氏をクローズアップする形で、大谷の資金管理や不動産会社設立について報道、バレロ氏など“チーム大谷”が、一平氏が盗んだとされる約7億円もの金の流れを把握できなかったことに疑問を呈している。

 そう、やはり最大の問題は大谷本人(もしくはチーム大谷の誰か)の送金関与の有無なのだ。しかし現在、客観的証拠として日米マスコミを含め、それを誰も証明するに至ってはいないし、核心に迫る報道はない。特に日本マスコミは、大谷本人の“関与否定会見”だけを頼りに、それを客観的に検証することなく、すがるようにひたすら信じようとしているかに見える。

その心理はよくわかるが、しかし願うべきは、一点の曇りもなく大谷の関与が完全に否定されることだ。早く、その日がくることを望みたい。

昭和の雰囲気が漂う中森明菜と松田聖子の「ライバル物語」

 久々に“ザ・女性週刊誌”といった雰囲気満載の記事、それが2位の「女性自身」が特集した中森明菜の“復活”記事だ。5月1日にデビュー42周年を迎える明菜が、先日YouTubeで「TATOO」のジャズバージョンをカラー映像で配信した。

 「自身」によると、明菜がジャズに挑んだのは今回が初めてらしい。そして明菜が初めてジャズに挑んだ背景について、「自身」はライバル・松田聖子の存在があったと解説するのだ。聖子といえば明菜の往年のライバル関係とされ、近藤真彦を巡り犬猿の仲とまでいわれた“いわくつき”の存在だ。

 しかし記事では2人の不仲を否定し、特に娘・神田沙也加を亡くしたのちも歌い続ける聖子に、明菜は勇気づけられたと指摘。さらに、こう推察する。

「明菜さんがジャズに興味を持ったのには、聖子さんの背中を追うような気持ちもあったかもしれません」
「聖子が一歩前に進めば、明菜もそれに追いつこうとする。まるで呼応するかのように、歌姫2人がそろってジャズに――。」

 たぶんこれ、「自身」の勝手な推測だと思う。もし、これを本人たちが読んだら、怒るかあきれるか苦笑するかだと思う。でも明菜と聖子の“ライバル関係”を無理やりフィーチャーした今回のような物語記事は、昭和の雰囲気が漂い、なんだかとっても懐かしい。

 ライバル物語は昭和芸能の王道だった!

今週も止まらない羽生結弦関連のネガティブ記事

 本人は相当カリカリしているとは思うが、羽生結弦関連の報道が止まらない。もちろん多くがネガティブ記事だものね。今週も「女性自身」と「週刊女性」が今の羽生を象徴するような情報を掲載している。

 まずは「自身」。10年来、羽生の衣装を制作してきた衣装デザイナーが休業した。記事によると、これまで羽生ファンとの軋轢があり、最近も羽生ファンとの揉め事があったという。

 そして「週女」記事は、元妻の“2003年若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール ディプロマ賞受賞”という公式経歴に疑問を呈する内容だ。いろんな方向から受難が降りかかる、昨今の羽生である。