韓国KBSは4日、韓国ドラマを見たという理由で10代の少女らが公開裁判にかけられる北朝鮮当局制作の映像を公開した。

北朝鮮当局はこうした映像を国民に見せ、「韓流に染まるな」と警告を続けている。

この映像は少し前に、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が今年7月、キャプチャ写真だけ公開したものと同一と見られる。KBSはボカシ処理をして放映したが、北朝鮮のオリジナル映像では素顔がさらされている。

北朝鮮当局はさらに、少女の名前と学校、年齢まで公開して「傀儡(韓国)テレビ劇(ドラマ)をはじめとする不純出版宣伝物を視聴・流布させた学生数人を法的に厳しく処罰した」と説明している。

先述したRFAの報道によれば、映像に登場した女子高生のひとりは、無期の労働教化刑(無期懲役)を言い渡された。食糧事情と衛生環境が劣悪で、虐待と性暴力がはびこる北朝鮮の刑務所で、10代の少女が生き延びることは極めて難しい。「緩慢な処刑」と言い換えても過言ではないだろう。

少女らは皆、後悔の涙に暮れており、あまりにも残酷な場面と言える。

KBSによれば、「このような映像は合計10本ほど、2時間以上の分量で、ほとんどが2021年5月以降に製作された」もようだという。

KBSはまた、「新型コロナウイルス感染症の流行期、中国との交易中断以降に経済難が深まり、北朝鮮当局が住民の動揺を防ぐために統制を強化して人権状況はさらに悪化したと分析される」とも伝えている。

しかし、こうした強硬な取り締まりにもかかわらず、隠れて韓流を視聴する北朝鮮国民はいまだにいる。

そもそも、金正恩総書記本人が、韓流や海外文化を楽しんでいるであろうことは、様々な状況証拠から明らかだ。不可能な韓流取締りを続けることは、非効率であると同時に無意味なのだ。

そんなくだらないことで、国の貴重な担い手を地獄に送るのはナンセンスだ。

金正恩氏はさっさと「敗北」を認め、文化の「開放政策」に転じて若者らの歓心を買った方が、体制を守っていくうえでも得策なはずだ。

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