北朝鮮の首都・平壌の地下鉄は、豪華な駅舎で知られ、外国人観光客の定番スポットとなっている。そこに最近、「コチェビ(ストリート・チルドレン)」が再び現れるようになった。
また、主要な鉄道駅周辺では、「花売り娘」と呼ばれる女子大生が売春に追い込まれているという。いずれも金正恩政権の経済政策の犠牲となった若者たちだ。韓国のサンド研究所が運営するサンドタイムズが報じた。
複数の内部情報筋によれば、平壌の地下鉄駅や市中心部では、みすぼらしい服装の若者たちが物乞いをしており、親を亡くしたり、経済的困窮で家庭が崩壊した結果、路上生活を強いられているという。
さらに、鉄道駅周辺では性売買がほぼ公然と行われている。例えば平城駅では、胸を触る行為が10元(約220円)、下着の露出が30元(約660円)、性行為は100元(約2200円)という料金が相場だとされる。靴下や飴で応じる例もある。
一部の貧しい親は、生活のために幼い娘を駅に送り出し、性行為を強要しているとされる。鉄道駅周辺の行商人が主な顧客とみられるが、性病などを恐れ、キスやオーラルなど接触の少ない行為が好まれる傾向もある。
売春より深刻なのが薬物依存だ。脱北者たちの間では「北の子どもたちは薬がなければ生きられない」と語られるほど、薬物と売春が生存手段として定着している。
経済の崩壊は凶悪犯罪の増加も招いている。
北朝鮮当局はこうした行為を「反社会主義」と断じ、社会安全省や国家保衛省に大規模な取り締まりを命じた。住民の間では「昼間でも安心できない」という不安が広がっている。
労働新聞は21日、「敵の孤立・圧殺策動によって食糧難が生じた」と外部に責任転嫁したが、情報筋は「無謀な建設・軍事政策が国民生活を崖っぷちに追いやった」と述べた。