今月初めに史上初めて1万北朝鮮ウォン台を突破した北朝鮮のコメ価格は、現在も1万2,000北朝鮮ウォン台を維持している。ただし、代替穀物の供給が始まり、トウモロコシの価格はやや下落したとみられる。

韓国デイリーNKが定期的に実施している北朝鮮市場の物価調査によると、今月22日時点で平壌のある市場で取引されたコメ1kgの価格は1万2,000北朝鮮北朝鮮ウォンで、2週間前の7日と同じ水準だった。

一方、トウモロコシの価格は明らかに下落傾向を示した。22日、平壌と恵山の市場におけるトウモロコシ1kgの価格はそれぞれ4,000北朝鮮ウォン、4,100北朝鮮ウォンで、7日と比べてそれぞれ11.1%、12.8%下落した。

このようにトウモロコシ価格が大きく下がったのは、新ジャガイモや新麦の収穫が始まり、トウモロコシの需要がやや減少したためと分析される。ただ、今年の小麦・大麦は不作だったと見られており、市場の穀物価格に与える影響は一時的なものである可能性がある。

こうした中で、北朝鮮住民の食糧難が顕著に深刻化している様子が伺える。

両江道の情報筋は「市場で商売もままならない状況で、コメ価格が大きく上がったため、食いつなぐのがとても厳しいと嘆く人が多い」と述べ、「何とか収入のある人たちはトウモロコシご飯を食べているが、それすら食べられない世帯も多い」と伝えた。

さらに、「特に収入のない高齢者世帯は、飢えで倒れる人が続出している」とし、「このような時こそ、少しでも国家が配給してくれればと思うという声もある」と語った。

また、穀物を扱う商人たちの間でも不満が噴出している。最近の価格高騰に加え、当局の市場統制が強化され、商人たちの経済活動も打撃を受けているためだ。

情報筋によれば、市場のある穀物商人は「食糧価格が上がると、いつも我々が犯罪者のように責任を押し付けられる。それで結局、流通が目詰まりを起こしてコメ価格が上がるのではないか」とし、「国家も食糧価格を安定させられないのに、なぜ我々の生活手段まで奪うのか、本当に悔しい」と訴えた。

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