北朝鮮外務省の日本研究所政策室長は7月17日、日本政府が発表した「2025年防衛白書」について、「再侵略野望を実現するための戦争シナリオ」であると強く非難する談話を発表した。朝鮮中央通信が翌18日に報じた。
談話では、日本が白書の中で北朝鮮や中国、ロシアの軍事力強化を「差し迫った脅威」と位置付けたことに対し、「米国の覇権戦略に列島全域を軍事前哨基地として提供し、地域の緊張を高めている現実を隠蔽しようとする破廉恥な詭弁だ」と断じた。
北朝鮮側は、日本が「国家安全保障戦略」を改定して先制攻撃能力の保有を公式化した点にも注目。国産・外国産を問わず長射程ミサイルの開発・導入を急ピッチで進めている現状に触れ、「防衛予算を過去最大に増額し、米国製の巡航ミサイルや空対空ミサイルなどの大量購入に踏み切った」と指摘した。
さらに談話では、日本がこれまで「専守防衛」を標榜し「平和国家」としての姿勢を演出してきたにもかかわらず、現在では「遠距離打撃能力や領域横断作戦能力の構築に血眼になっている」と非難。それは「周辺情勢への一時的な対応ではなく、戦後一貫して追求してきた戦略的軍事方針の表れだ」と強調した。
そのうえで、北朝鮮は自国の核戦力の強化について、「米国とその同盟勢力の挑発を制圧し、戦略的均衡を維持するために不可欠な措置」であると正当化。日本の軍事拡張政策には「断固として反対し、排撃すべきだ」と地域諸国に呼びかけた。