米トランプ政権が27日、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)戦力について「米本土を直接攻撃し得る水準に達している」との認識をあらためて示した。米上院軍事委員会に提出された国防総省高官の書面証言で明らかになったもので、北朝鮮の核・ミサイル能力を中国、ロシア、イランと並ぶ主要な戦略的脅威として位置づけた。
証言したのは、米国防総省で宇宙政策を担当するマーク・バーコウィッツ次官補代理。北朝鮮について「核・ミサイルおよび航空戦力を継続的に拡張し、米本土、米軍、同盟国に対する直接的かつ増大する脅威となっている」と指摘した。そのうえで「北朝鮮の戦域級ミサイルは米韓日を射程に収め、ICBMは米本土を打撃可能だ」と明言した。
背景にあるのは、北朝鮮によるICBM能力の質的向上だ。朝鮮中央通信が先月報じた2500キロニュートン級の大出力固体燃料エンジンの燃焼試験成功は、専門家の間で「次世代ICBMの多弾頭(MIRV)化を視野に入れた推力強化」と受け止められている。北朝鮮はすでに新型ICBM「火星19」型で1万5000キロ級の射程を事実上誇示しており、今後の焦点は「どこまで遠く飛ばせるか」から「いかに迎撃網を突破するか」へと移りつつある。複数の弾頭やデコイ(囮)を同時投入し、米本土防衛網を飽和させる能力の獲得が狙いとの見方が強い。
もっとも、北朝鮮がなお越えていないとみられる技術的な壁もある。最大の論点は、大気圏再突入技術の完全な実証だ。火星19は高角度(ロフテッド軌道)で発射されており、実戦的な通常軌道での飛翔と再突入体の耐熱・誘導性能が確認されたわけではない。このため、北朝鮮が「米本土に届く能力」は持っていても、「狙った地点に確実に命中させる能力」が完成段階にあるかをめぐっては、なお慎重論が残る。
一方で、米側が今回あえて「到達可能」と公言した意味は小さくない。
冷戦後の米本土防衛は、限定的な弾道ミサイル迎撃を前提としてきた。しかし、北朝鮮の多弾頭ICBM、中国の極超音速兵器、ロシアの先進巡航ミサイル、イラン系無人機群が同時に脅威化する中、その前提は崩れつつある。








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