次に驚いたのは、シンフェローポリ空港がものすごく立派だったことだ。あとで調べてみると到着したのは今年4月18日に運用を開始したばかりのニューターミナルで、確かに新建材の匂いがした。かなり古めかしい旧ターミナルからは1キロほど離れているらしい。
宿泊予定のホテルから2日ほど前にメールが来ていて、空港からの送迎はどうするか訊かれた。いつもは公共交通機関を使うか空港タクシーを利用するのだが、どんな様子かわからないので頼むことにした。その料金が4000ルーブル(約7500円)で、これはロシアの物価としてはかなり高い。モスクワ市街から空港までは30キロ以上離れているが、それでも3000円かからないのだ。
しかし迎えの車に乗ってみると、これが法外な料金というわけではないことがわかった。ちゃんと調べていなかったのだが、クリミア半島の中央に位置するシンフェローポリ空港から黒海に面したセバストポリは距離にして100キロ以上あり、そのうえすべて一般道なので順調に走っても2時間半くらいかかるのだ。しかも空港への道路はもともとは1車線だったらしく、拡幅工事をあちこちでやっていてそのたびに渋滞する。
さらに驚いたのは、ロシア国内でネットにつなぐために購入した国際SIMが使えないことだ。それだけでなく、スマートフォンの電波すら入らない。最初は田舎で電波がこないのかと思ったが運転手はふつうにスマホでしゃべっている。