1位は年収912万円!
本社が京都府の任天堂

 今回は、大阪府を除く近畿地方(京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀、三重の1府5県)に本社がある上場企業を対象に「年収が高い会社ランキング」を作成した。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。

単体の従業員数が20人未満の企業は除外している。

 それでは、平均年収ランキングを確認していこう。

 1位は、ゲーム機「ニンテンドースイッチ」を2017年に発売した任天堂。年収は912万円だった。「スーパーマリオ」や「ポケットモンスター」「ゼルダの伝説」など有力ソフトを多数抱えている。

 1889年、京都市下京区で花札の製造を開始。1902年に日本で初めてトランプの製造に着手するなど、もとは花札やトランプを扱う会社だった。

 1980年に携帯型ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」、1985年に家庭用テレビゲーム機「ファミリーコンピュータ」を発売し、世界的なゲーム機メーカーとなった。

 実は、花札やトランプのほか、小倉百人一首、マージャン牌、将棋や囲碁の盤や駒、碁石といった旧来の商品は現在も販売している。

 京都府には任天堂を筆頭に有力企業が多く、年収ランキングでも6社がランクインした。2位のSCREENホールディングスは半導体製造装置の大手で、年収は896万円。6位のオムロンは制御機器に強みを持つ電子部品メーカーで、821.6万円だった。

 7位の島津製作所は分析・計測機器大手で、821.4万円。同社に所属する研究者の田中耕一氏が2002年にノーベル化学賞を受賞したことは、広く知られている。

 8位のたけびしは、三菱電機の製品を中心に産業用電機・電子機器を取り扱う技術商社で807万円。9位の日本新薬は791万円だった。

宝酒造の親会社は年収728万円
稲盛氏創業の京セラは723万円

 トップ10からは漏れたが、京都府に本社があるその他の有力企業の年収も見ていこう。

 積層セラミックコンデンサーで世界首位の村田製作所は、743万円で16位。傘下に宝酒造とタカラバイオを持つ宝ホールディングスは、728万円で20位だった。

 日本航空の再建も手掛けた稲盛和夫氏が創業した京セラは、723万円で25位。佐川急便を傘下に持つSGホールディングスは684万円で39位である。

 永守重信氏が一代で巨大企業に成長させた日本電産は、660万円で52位。婦人下着首位のワコールホールディングスは、591万円で100位だった。

 京都府以外の5県についても、チェックしていこう。

 3位のタクマは、兵庫県に本社がある廃棄物処理・水処理プラントメーカー。年収は856万円だった。このほか、兵庫県からトップ10に2社が入った。川崎汽船は831万円で4位に。バイオ医薬品のJCRファーマは830万円で5位だった。

 10位は滋賀県が本社の日本電気硝子。液晶用ガラス大手で年収は783万円だった。

 トップ10には入らなかったが、三重、奈良、和歌山の3県で年収が高い会社をそれぞれ見ていこう。

 三重県で最も年収が高い上場企業は、35位の日本トランスシティで691万円。倉庫・運輸事業を手掛けている会社で、1895年に四日市倉庫として創業した(1992年に現社名に変更)。

 奈良県の年収首位は、ヒラノテクシードだ。フィルムや金属箔など薄いものに液を塗工する機械を製造している。

年収は634万円で、66位だった。

 和歌山県は島精機製作所が611万円で、83位だった。コンピューター横編み機が主力。ニット製品を立体的に編み上げ、縫製や裁断を不要にする技術に強みを持っている。

(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

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