1位は年収945万円!
本社が岡山県のベネッセ

 今回は、中国・四国地方(鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知の9県)に本社がある上場企業を対象に「年収が高い会社ランキング」を作成した。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。

単体の従業員数が20人未満の企業は除外している。

 それでは、平均年収ランキングを確認していこう。

 1位は、「進研ゼミ」や幼児向けキャラクター「しまじろう」で知られる通信教育大手のベネッセホールディングス。岡山県に本社があり、年収は945万円だった。

 1955年に福武書店として創立し、中学生向けの図書や生徒手帳の発行を始めた。95年に社名をベネッセコーポレーションに変更(持ち株会社に移行して現在の社名になったのは2009年)。「ベネッセ」はラテン語の造語で、「よく生きる」という意味がある。語学教室や介護事業なども手掛けている。

 8位のサンマルクホールディングスも岡山県の企業だ。年収は705万円。クロワッサン生地でチョコレートを包んだ「チョコクロ」を提供する「サンマルクカフェ」を展開している。

 2位のトモニホールディングスは、香川県が本社の銀行持ち株会社である。

年収は846万円。傘下に香川銀行や徳島銀行、大正銀行(大阪府)を抱えている。店舗網の広域化を進めており、徳島銀行は16年にグループに入った大正銀行と、来年1月に合併する。

 同社を含め、香川県からは計3社がトップ10に入った。5位の四国電力は771万円。10位の四国化成工業は694.6万円。四国化成はスマートフォンなどに使われる電子化学材料や、ブロック塀の代替として使われるエクステリア製品を製造している。

3位のローツェは年収820万円
広島で中国電上回るがブレ大きい

 3位は広島県が本社の半導体関連装置メーカー、ローツェ。年収は820万円。4位の中国電力(772万円)、9位で中国電力系の電気工事会社、中電工(702万円)を押さえ、広島県で年収トップとなった。

 ただ、ローツェの年収は年度によってブレが大きい。18年度は上記の通り820万円だが、17年度は690万円(中国電力は778万円、以下同)、16年度は821万円(777万円)、15年度は613万円(779万円)、14年度は561万円(764万円)となっている。

 ローツェのIR(投資家向け広報)担当者は「業績によって賞与が変動するため」と説明している。

 このほか、広島県に本社がある有力企業、中堅自動車メーカーのマツダは676万円で15位だった。

 高知県からはトップ10に2社がランクインした。アルミ電解コンデンサー用セパレーター(絶縁体)が主力のニッポン高度紙工業は、721万円で6位。強力吸引作業車で国内首位の兼松エンジニアリングは、706万円で7位だった。強力吸引作業車は、道路の側溝清掃や建設現場での汚泥吸引などに使われている。

 トップ10には入らなかったが、徳島、山口、愛媛、島根の4県で年収が高い会社をそれぞれ見ていこう。いずれも地方銀行がトップとなっている。

 徳島県で最も年収が高い上場企業は、11位の阿波銀行で694.3万円。山口県は、13位の山口フィナンシャルグループで680万円。山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行の持ち株会社である。

 愛媛県の年収首位は、伊予銀行である。

年収は669万円で、16位だった。島根県は山陰合同銀行が651万円で、21位だった。

(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

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