エムスリーは、2020年3月期の期末配当を「未定」から「1株あたり8.5円」に修正し、前期比で「増配」とする予想を、2020年2月21日の12時に発表した。これにより、エムスリーの「連続増配」記録は”8期”となる見込みだ。

 エムスリーの2020年3月期の中間配当(9月)は「0円」、期末配当(3月)の予想は「8.5円」、合計の年間配当額は「1株あたり8.5円」と発表した。

 2019年3月期の配当は「1株あたり7円」だったので、前期比で「1.5円」の増配となる。今回の増配発表により、エムスリーの配当利回り(予想)は0.27%になった。

 エムスリーは「経営基盤を強化し新たな事業展開に備えるため、利益を内部留保し、再投資することを基本方針」としており、配当に積極的というわけではない。しかし、配当を開始した2008年3月期以来、一度も減配をすることなく「非減配」を継続している。

 また、「非減配」を継続しているというだけでなく、直近では「連続増配」記録も更新中だ。

2020年3月期の増配が予想通りに実施されれば”8期連続増配”となる。
【※関連記事はこちら!】
「高配当株」と「増配株」では、どちらに投資すべきか?「増配」は業績やビジネスモデルの“裏付け”があるが、「高配当」は株価や配当額に左右される不安定なもの!

 そして、エムスリーの年間配当額が著しく増加している点にも注目したい。もし、今回の予想通りに配当が実施されれば、2010年3月期から2020年3月期までの10年間で、「1株あたり1.5円」から「1株あたり8.5円」まで、なんと約5.6倍に増額することになる。
【※関連記事はこちら!】
「配当利回りが高い株」に投資するより重要なのは、「増配傾向にある株」を選んで投資をし続けること! 実現間近の「配当でモトを取る」途中経過も大公開!

エムスリーの過去14期の配当の推移は?■エムスリー(2413)の過去14期の配当の推移期年間配当額 期年間配当額2007/30円2014/33.25円2008/31.24円2015/34円2009/31.37円2016/34.5円2010/31.5円2017/35円2011/32.08円2018/35.5円2012/32.08円2019/37円2013/33円2020/38.5円
(予想)エムスリーの配当利回りは?

 エムスリーの2020年2月21日時点の株価(終値)は3055円なので、配当利回り(予想)は以下のようになる。

【※エムスリーの配当利回り】
株価:3055円
年間配当額:中間0円+期末8.5円=8.5円
配当利回り=8.5円÷3055円×100=0.27%

 エムスリーの配当利回りは0.27%。2020年1月の東証1部の平均利回りは2.00%(配当実施企業のみ)なので、エムスリーの配当利回りは「かなり低め」と言えるだろう。

今回の「増配」は12時に開示されたが、後場の株価への影響は小さかったようだ。

 一方で、1株あたりの配当額が10年間で約5.6倍になる見込みであるにもかかわらず、配当利回りが0.27%と低くなっているということは、それだけ株価が上昇してきたということも意味している。実際にエムスリーの株価は、2010年3月末の133.33円(分割調整後の終値)から2020年2月21日時点の3055円(終値)までで約22.9倍になっている。

 そして2019年のエムスリーの株価上昇率も105%と極めて高く、ダイヤモンド・ザイ(2020年2月号)で掲載した『2019年に株価がもっとも上昇した「大型株ランキング」』では第9位にランクインしている。なお、エムスリーは株主優待は実施していない。
【※関連記事はこちら!】
2019年に株価がもっとも上昇した「大型株ランキング」を発表! 1年間で株価が約3.5倍になって1位に輝いたレーザーテックなど、「半導体」関連株が目立つ結果に

 エムスリーはソニーの関連会社で、日本最大級の医療従事者専用サイト「m3.com」を運営。

インターネットを活用した医療情報の提供や医療業界に特化した転職支援などを行っている。2020年3月期(通期)の連結業績予想は、売上収益15.0%増、営業収益13.6%増、当期利益12.4%増と好調(すべて前期比)。

■エムスリー業種コード市場年間配当額サービス業2413東証1部8.5円株価(終値)単元株数最低投資金額配当利回り3055円100株30万5500円0.27%※株価などのデータは2020年2月21日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。