コロナの時代の会話術、飛沫は8分間以上空中に漂う!

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の主な感染経路は、飛沫と接触だ。

 飛沫感染はくしゃみや咳など、勢いよく飛び散る唾を介した経路。今もウイルスシャワーを正面からあびないよう、互いの間を2メートル空ける「身体的距離」が推奨されている。

 しかし、米国立糖尿病・消化器疾患・腎疾患研究所(NIDDK)の報告で、普通の会話で生じるごく小さな飛沫経由でも、SARS-CoV-2に感染する可能性があることが示された。

 研究では、空気が滞留している小部屋(湿度27%、温度23℃)で、被験者に「Stay Healthy」と25秒間大声でくり返してもらい、特殊な波長のレーザー光線を照射して空中に浮遊する飛沫を可視化した。

 その結果、声を出している1分間で少なくとも1000個の微細な飛沫が生じ、発生後8分間以上は空中に漂い続けることが示されたのだ。

 もし、この被験者がSARS-CoV-2に感染していたと仮定すれば、世間話の1分ごとにウイルスを含む1000個の飛沫ミストを張り巡らせる可能性があるというわけ。会話の相手や第三者が感染するリスクは否定できない。

 困ったことに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染後の発症2、3日前~発症直後の感染力が強い。無症状の人もいる。つまり、自覚症状がほとんどなくても、日常会話で誰かに感染させる可能性が高いわけだ。

 ただ、研究者らは「マスクを装着することで、ウイルスの飛散を抑え感染拡大を防ぐことができる」と断言している。このあたりが主観的に健康でもマスクを着けることに抵抗がない、東アジア諸国に幸いしたのかもしれない。

 ともあれ、コロナの時代の会話は飛沫を散らさないよう「小声、マスク越し、何より手短に」が基本。熱くなって議論するより、冷静沈着がモットーだ。

 飛沫を室内にとどめない工夫も必要だ。これからの季節はどうしても外気を遮断して除湿・冷房を利用したくなるが、今年は暑くても換気を優先した方がいい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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2020年6月17日の経済記事

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