「8020運動」をご存じだろうか。

「80歳になっても20本以上自分の歯を残そう」という取り組みである。

80歳を超えても自分の歯で食事ができるのは、幸せなことだ。

 そのためには日々のケアを意識的に行う習慣が必要不可欠だ。では、実際どのくらいの人が「オーラルケア」を意識的に行っているのだろうか。

 一般社団法人ストレスオフ・アライアンスは、全国の男女14万人(男女各7万人、20~69歳)を対象に、大規模インターネット調査『ココロの体力測定2018』を実施。その中で、「オーラルケア意識」に関する詳細な調査を行っている。

 今回は、調査から明らかになった「オーラルケア意識が高い都道府県ランキング」を紹介していこう。

※集計期間は2018年3月7日~17日。調査機関は株式会社メディプラス研究所。サンプル数は男女各7万人で、各都道府県1000サンプル以上を確保し、その後人口比率(都道府県、年代、有職割合)でウエイト修正した。今回のデータで使用した「オーラルケア意識」については、「8020運動などの口の健康」に関して「知らない」「普段全く意識していない」「普段あまり意識していない」「普段からやや意識している」「普段から意識している」の5段階で回答を集計。「普段からやや意識している」「普段から意識している」と回答した人を「オーラルケア意識あり」として、回答者全体に対する割合を算出した。

「オーラルケア意識が高い都道府県ランキング」
1位は男性が島根県、女性は沖縄県に

「オーラルケア意識が高い都道府県ランキング【男性版】」1位は島根県になった。

2位は長崎県、3位は長野県だった。

 一方、「オーラルケア意識が高い都道府県ランキング【女性版】」1位は沖縄県だった。2位島根県、3位山梨県と続いた。

 島根県、長崎県、佐賀県、沖縄県の4県は、男女ともトップ10に入っている。特に島根県は、男性版で1位、女性版でも2位と、オーラルケアに対する意識がとても高い県だといえる。

オーラルケア意識が高い地域には
「日本食中心」「腸活」への関心などの共通点も

 ストレスオフ・アライアンスが実施した同調査の他項目を参照すると、オーラルケアへの意識が高かった地域と低かった地域に共通点が見えてくる。

例えば、男性においては「日本食中心の食事」「おみそ汁を1日1回以上飲む」などの和食文化や「休肝日を作る」「糖質制限」などへの意識が高い傾向があった。女性版の上位県においては、「腸活」「ロコモーティブシンドローム」などの健康意識が高い特徴がみられた。

 次に、オーラルケアへの意識を年代別に見てみよう。男女とも、オーラルケアに対する意識が最も高いのは60代となっている。男性では、60代に続いて意識が高いのが、20代(9.9%)と、30代(9.8%)だ。一方、女性では50代が20.1%と、60代に次いでオーラルケアに高い意識を持っていることが分かる。

女性で最も低いのは20代(7.7%)だ。

 また、こうしたオーラルケアへの意識の高さは、「ストレスの状態」とどう関係しているのだろうか。厚生労働省実施の「ストレスチェック制度」身体状態(B項目)を基準に、ストレスの度合ごとにオーラルケアを意識する人の割合を集計した。

 すると、男性は高ストレス者においてオーラルケアへの意識が高く、女性は低ストレス者においてオーラルケアへの意識が高いという正反対の結果となった。これは、男性においては20代~30代という比較的ストレスの高い年代のオーラルケアへの意識が高いことが一つの要因として考えられる。

 集計結果全体で見てみると、「オーラルケア意識」がある人は、男性で9.3%、女性で17.0%と、2割以下の低い数値となった。

「8020」を達成するためには、若い頃からの意識がカギとなる。年を重ねてから後悔することのないよう、口内ケアを習慣付けておこう。

(本記事は一般社団法人ストレスオフ・アライアンスからの提供データを元に制作しています)