前年比9割減が15社も!
コロナ禍で販売機会が激減

 今回は、「コロナで4~6月期に大幅減収の企業ランキング」をお届けする。8月14日時点で、2020年4~6月期の売上高と純損益のデータを取得できた上場企業が対象。

前年同期比で減収率が大きい順にランキングした。順位は、小数第2位以下を加味している。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、7都府県に緊急事態宣言が出されたのが4月7日だった。同月16日に対象は全国に拡大し、全面解除されるまでに1カ月半かかった。

 4~6月期は多くの企業にとって、コロナ禍による店舗休業や外出自粛で販売機会が激減した時期に当たる。売上高が90%以上減った企業は、何と15社に上っているのだ。

 早速、ランキングを確認してみよう。

1位は前年比99.4%減!
オリエンタルランドも売り上げ蒸発

 4~6月期の減収率でワースト1位となったのは、ユーラシア旅行社(サービス)である。売上高は前年同期比99.4%減の1000万円だった。世界遺産や自然、伝統などをテーマに海外旅行の企画販売を手掛ける同社を、コロナ禍が襲った。純損益は3600万円の赤字となった。

 今回、ワースト10に旅行会社が計4社入った。

4位のベルトラ(サービス)は98.9%減の1100万円(純損益は5億0900万円の赤字)。海外旅行の現地体験ツアーを、オンラインで予約するサービスを手掛けている。

 5位のKNT-CTホールディングス(サービス)は97.0%減の33億円(同98億円の赤字)。近畿日本ツーリストとクラブツーリズムが、2013年に統合して発足した旅行大手である。

 10位のHANATOUR JAPAN(サービス)は94.6%減の1億0700万円(同5億1000万円の赤字)。同社はインバウンド専門の旅行会社だ。新型コロナの影響で旅行需要が国内外とも激減し、各社は窮地に立たされている。

 レジャー関連の企業も、需要の蒸発に見舞われている。2位の御園座(サービス)は、名古屋市の老舗劇場である。4~6月の公演がなくなったことで、売上高は99.4%減のわずか400万円(同2億円の赤字)に。東京ディズニーリゾートやホテルを休業したため、8位のオリエンタルランド(サービス)は94.9%減の61億円(同248億円の赤字)。

 このほか、ワースト10に入った企業を挙げておこう。

3位のウェルス・マネジメント(不動産)は売上高が99.3%減、6位のRVH(サービス)は96.8%減、7位のKudan(情報・通信)は96.2%減、9位のレッド・プラネット・ジャパン(卸売業)は94.9%減となった。いずれも純損益は赤字である。

 なお、今回のランキングの完全版では、売上高が前年同期比で20%以上減少した866社を掲載している。コロナ禍で実害を受けている企業がよく分かるので、ぜひチェックしてほしい。

(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

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