リストラ総数1万8600人!
上位の顔触れは?

 今回は、2020年に早期・希望退職を実施した上場企業のデータを使い、「早期退職者数ランキング2020」をお届けする。東京商工リサーチが集計したデータを基にダイヤモンド編集部が作成。

早期退職者数は、募集人数が判明した企業は募集人数で、応募人数しか分からない企業は応募人数でカウントしている。

 20年にリストラを打ち出した企業は93社あり、19年比で2.6倍に増えた。新型コロナウイルスの流行を受けて、リストラ総数は実に1万8635人に上った。前年比64%増だ。

 ランキングでは、早期退職者数100人以上の51社を対象にした。このうち、500人以上に手を付けた企業が12社あった。

1位は1030人もの人員削減に踏み切った。

 それでは、詳細を確認していこう。

応募人数1030人の日立金属
経営再建中のレオパレスも1000人

 1位は日立金属(鉄鋼)で、早期退職者数は1030人だった。同社の21年3月期の純損益見通しは460億円の赤字(前期も376億円の赤字)である。自動車や航空向け部材の不振が続いていたが、20年4月に公表した品質不正問題も打撃となった。

 20年11月には親会社の日立製作所が、日立金属の売却に向けて入札手続きに入ったとも報じられた。

同社の経営が揺れ動く中での大量リストラとなっている。

 2位は経営再建中のレオパレス21(不動産業)で1000人。アパートの施工不良問題が長引いており、入居率の低迷に苦しんでいる状況が続く。20年9月末には171億円の債務超過に陥った。

 その後、同年11月に米フォートレス・インベストメント・グループから270億円の出資を受けて、債務超過は何とか脱した。だが、事業の立て直しや改修工事の完了は不透明なままである。

 3位はコカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス(食料品)で、900人。新型コロナの影響で自販機などの販売が落ち込み、20年12月期の売上高は1000億円を超す減収見通しの7945億円、純損益は70億円の赤字(前期は579億円の赤字)となりそうだ。

 なお、今回のランキングの完全版では、4位以下も含めた計51社を掲載している。三菱自動車工業やオンワードホールディングスなどが上位に入っている。また、業種別の動向も分析しているので、ぜひ確認してみてほしい。

(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)