コロナ禍の前に行われた20年卒の採用。果たして主要企業はどの大学から学生を採用したのだろうか。
就活生の親世代にとって、おそらく仕事の内容や働き方を最もイメージしにくいのがネット企業だろう。親世代が就活をしていた1990年前後は、まだインターネットが普及する前の時代であり、今回取り上げるネット企業はいずれも創業していなかった。
一方で、生まれたときからインターネットが身近にあり、SNSやスマートフォンを当たり前のように使いこなしている「デジタルネイティブ世代」である就活生にとっては、これらネット企業は非常に身近に感じているだろう。
コロナ禍の影響を受ける前の19年のランキングを見てみよう。ヤフーは1位東京大学、同率2位に慶應義塾大学・筑波大学・明治大学が入っていた。楽天とサイバーエージェントは1位早稲田大学、2位慶應、ディー・エヌ・エーは1位東大、2位早稲田という順位だった。
果たして20年のランキングの顔触れはどうなったのだろうか。
前年と顔触れがほぼ同じのヤフー採用大学が多様なディー・エヌ・エー
20年の主要ネット企業の採用大学ランキングは、各社で顔触れに変化があった。ヤフーは1位が前年1位の東大、2位は前年5位の早稲田、同率3位が前年同率2位の筑波大学、前年同率10位の京都大学、前年同率7位の大阪大学だった。TOP10の顔触れを見ると、前年とほぼ変わっていないが、前年同率2位の慶應が姿を消し、新たに電気通信大学が同率9位に入っている。
楽天は前年に続き早慶が1位・2位を占めた。3位は前年6位の明治、同率4位に前年3位の青山学院大学と前年4位の上智大学が入った。順位を上げたのは三木谷浩史会長の母校である一橋大学。前年同率8位から6位に上がった。また、法政大学、立教大学、立命館大学がTOP10圏外からランクインしている。
サイバーエージェントの1位・2位は、前年は早稲田・慶應の順だったが、20年は慶應・早稲田の順となった。また、TOP10には新顔が4校食い込んだ。同率5位に東大、同率7位に横浜国立大学、公立はこだて未来大学、関西学院大学がランクインしている。
顔触れが最もバラエティーに富んでいるのはディー・エヌ・エーだ。1位は前年と同じく東大、前年4位の慶應、前年2位の早稲田が並んだ。ここまでは他社と同じような顔触れだが、4位以下は前年のTOP10圏外から新顔が続々登場する。
同率4位に大阪大学、東海大学、同率7位に神戸大学、武蔵野美術大学、同率10位に東京学芸大学、電気通信大学、横国大、新潟大学、名古屋大学、九州大学、宮城大学、千葉工業大学と、TOP10ランキングの29校のうち12校が新たにランクインした大学だ。
*ランキング表の見方
医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に2020年春の就職状況を調査。551大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」より集計。慶應義塾大学は就職者3名以上の企業のみ公表。企業名は大学通信の調査方法にのっとって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。 調査/大学通信