オリバーの株主優待は、これまで毎年4月20日と10月20日時点の株主に実施されており、従来の内容は「100株以上を保有する株主に、保有株数と継続保有期間に応じて『ジェフグルメカード』を年2回贈呈」というものだった(2021年4月20日の実施を最後に基準日が変更され、毎年12月末・6月末になる予定だった)。
しかし、この株主優待は2021年4月20日時点の株主への実施分を最後に「廃止」される見通しとなった。なお、オリバーは同時に、2021年12月期の期末配当の予想を修正して「無配」とすることも発表している。
オリバーが株主優待を廃止するのは「MBO」(マネジメント・バイアウトの略。買収対象会社の経営陣が、買収資金の全部または一部を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提に、買収対象会社の株式を取得する取引)の一環で、NEXT-Oによって公開買付けが行われるため。公開買付けの成立後、オリバーは上場廃止となる見通し。
廃止されるオリバーの株主優待制度の詳細 ■廃止されるオリバーの株主優待制度の詳細 基準日 保有株式数 保有期間 株主優待内容 12月末・6月末 100株以上 2年未満 ジェフグルメカード1000円分(×年2回) 2年以上 ジェフグルメカード2000円分(×年2回)
オリバーの2021年6月22日時点の株価(終値)は2720円なので、株主優待が廃止されなければ、株主優待利回りは以下のようになっていた(※株主優待は年2回、受け取ったものとする)。
(100株・2年未満保有の場合)
投資金額:100株×2720円=27万2000円
株主優待品:ジェフグルメカード2000円分
株主優待利回り=2000円÷27万2000円×100=0.73%
オリバーの株主優待は利便性が高い「ジェフグルメカード」だったが、公開買付けの成立を前提として、廃止の見通しになった。残念に思う株主もいるだろうが、本日(6月22日)発表された公開買付け価格は3781円で、本日の終値2720円と比べると4割近くも高く設定されており、今後、株価は公開買付け価格付近まで上昇することが予想される。明日以降の株式市場で注目が集まりそうだ。
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オリバーは家具・インテリア事業を手掛ける企業。本社は愛知県岡崎市。決算期の変更により、2021年12月期(通期)は14カ月と11日の変則決算。
※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。