強豪プロ卓球チームの運営会社が3位に
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「九州・沖縄地方で年収が低い会社ランキング」を作成した。
このランキングでは、九州・沖縄地方(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の8県)に本社を置く上場企業を対象とした。
1月23日にお届けした『九州・沖縄地方で年収が高い会社ランキング』では、年収1000万円超が1社、900万円超が2社、700万円を上回った企業が11社という結果だった同エリア。それとは正反対の『年収が低い会社ランキング』の上位陣はどうなっているのだろうか。早速、ランキングを確認していこう。
1位の井筒屋は、福岡県北九州市に本社を置く老舗百貨店。従業員の平均年収は309.0万円、平均年齢は49.4歳だった。平均年収は昨年の調査結果(294.4万円)から上昇したものの、順位は3位から1位にランクアップしてしまった。
2位の碧(へき)は、沖縄県を中心に「鉄板焼ステーキレストラン 碧」などを運営する飲食事業者だ。このステーキチェーンの店員は女性スタッフのみで構成されているという。同社の平均年収は316.2万円、平均年齢は27.0歳となっている。
碧の22年9月期の通期業績は、売上高が前期比52.9%増の6億9700万円、営業損益が1億700万円の赤字(前期は2億2000万円の赤字)。
本社ビルを売却して固定資産売却益を得たこともあり、最終損益は1億2300万円の黒字(前期は1億6500万円の赤字)に転換した。
新型コロナウイルス感染拡大が続く中で利益率を改善するために、同社ではコストカットの一環で、代表取締役社長の役員報酬減額といった改善策を講じている(22年9月期終了時点)。
3位の琉球アスティーダスポーツクラブ(平均年収327.1万円、平均年齢32.6歳)は、「Tリーグ」に参戦中のプロ卓球チーム「琉球アスティーダ」の運営を手掛けている。このチームは20~21年シーズンのプレーオフで優勝して日本一となり、現在は東京オリンピック男子団体銅メダリストの張本智和選手らが所属する強豪だ。
チーム運営を担う琉球アスティーダスポーツクラブは18年に設立後、21年3月に東京証券取引所が運営するプロ向け市場「TOKYO PRO Market」に上場するなど、スピード感ある経営を強みとしている。スポーツ関連事業だけでなく、飲食店事業なども手掛けている。
有名選手が在籍でも赤字…琉球アスティーダ運営会社の中間決算
だが、琉球アスティーダスポーツクラブが22年8月に発表した中間決算(22年1~6月期)は、売上高が前年同期比61.4%増の2億2600万円、営業損益が1億700万円の赤字(前年同期は1億2000万円の赤字)、最終損益も1億700万円の赤字(前年同期は7600万円の赤字)となっている。
決算資料によると、プロ卓球チームのスポンサー獲得数は増えたものの、コロナ禍の影響で飲食店や土産物店が苦戦したようだ。
4位は、前回調査では1位だった福岡県のワイエスフード(平均年収335.7万円、平均年齢45.9歳)。ラーメン店「山小屋」などのフランチャイズチェーン展開を手掛ける企業だ。平均年収は昨年の269.6万円から大きく伸びた。
5位は、前回4位だった福岡県のきょくとう(平均年収338.8万円、平均年齢45.3歳)。クリーニング事業を展開し、福岡県だけでなく全国各地に店舗や工場を設けている。こちらも平均年収は昨年の328.6万円から上昇した。
ランキング完全版では、6位以下の全100社の順位と平均年収を掲載している。
全国的に知名度が高いJR九州(九州旅客鉄道)、福岡県に拠点を置く大手私鉄の西日本鉄道、そして九州・沖縄地方に地盤を持つ地方銀行は何位だったのか。ぜひ、確認してみてほしい。
(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)