1000万円超えは3社
1位は高年収ランキング常連

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、大阪府に本社がある上場企業を対象に「年収が高い会社ランキング2023【大阪府】」を作成した。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。

単体の従業員数が100人未満の企業は除外している。対象期間は、2022年5月期~23年4月期。

 なぜ100人未満の企業を除外するのかというと、このランキングには持ち株会社(ホールディングス)と事業会社が混在しているという「癖」があるからだ。

 持ち株会社として上場している企業の中には、経営企画や人事系など、少数の幹部社員だけしか在籍していないところがある。すると、その企業の実態(グループ全体)よりも年収が高く出てしまう恐れが強い。そうした「癖」の影響をなるべく排除するために、従業員が100人未満の会社はランキングから除外した。

 一方で、企業の中には、一般社員よりも平均年収が低い契約社員を含めている場合がある。他にも、定年退職者の雇用を積極的に進めている企業や、地方に本社を構える企業も年収が低くなる場合があるということを念頭に置いて見てほしい。

 では早速、ランキングを確認していこう。

「年収が高い会社ランキング2023【大阪府】」で1位となったのは、全国の年収が高い企業ランキングでも常連のキーエンスだ。測定器・画像処理機器・センサーなどを扱う大手制御機器メーカーで、平均年収は2279.4万円。今回該当する企業の中で唯一の2000万円超えで、従業員数は2788人、平均年齢は35.8歳だった。

 なお、22年版のランキングでも1位(平均年収2182.7万円)だったが、23年版と比較して96.7万円アップしている。

 23年3月期のキーエンスの売上高は9224億円(前期比22.1%増)、営業利益は4989億円(同19.3%増)と好調だ。売上高営業利益率は54.1%に上り、9期連続で営業利益率50%超えとなっている。

2位は総合商社の伊藤忠商事
3位と5位に大手製薬もランクイン

 2位は、総合商社の伊藤忠商事で、平均年収は1730.1万円だ。従業員数は4112人、平均年齢は42.4歳。前期(22年3月期)の平均値は1579.8万円だったので、150.3万円もアップした。総合商社がなぜこれほど高年収なのかについては、『平均年収1500万円超の総合商社「セレブ待遇」のリアル、三菱商事・伊藤忠・三井物産…』を参考にしてほしい。

 3位は、武田薬品工業で、平均年収は1097.2万円。従業員数は5486人、平均年齢は42.8歳だった。

 4位は不動産会社のプレサンスコーポレーションで、平均年収は965.3万円。従業員数は355人で、平均年齢は30.9歳と非常に若い。同社は、ワンルームマンション(主に単身者向け賃貸に使われる投資型マンション)や、ファミリーマンション(家族での使用を想定したマンション)の企画開発と販売を行う。

 5位は小野薬品工業で、平均年収は962.8万円だった。同社は、創業300年を誇る老舗製薬会社で、従業員数は3381人、平均年齢は43.5歳だった。

 ランキングの完全版では、6位以下の全200社を掲載している。平均年収が800万円以上の39社の傾向も業種別に分析しているので、ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

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