1位のローツェは
ファストリ超えの1000万円台

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータをもとに、「年収が高い会社ランキング2023【中国&四国地方】」を作成した。

 対象は中国・四国地方(鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知の9県)に本社を置く上場企業。

本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。単体の従業員数が50人未満の企業は除外した。対象期間は2022年5月期~23年4月期。

 それでは早速、ランキングを見ていこう。

 1位になったのは、半導体ウエハー搬送装置などを開発するローツェ。広島県福山市に本社を置く同社は、従業員の平均年収が1024.4万円、平均年齢が43.5歳で、今回調査対象とした企業の中で唯一の1000万円超えを記録した。

 今回分析対象とした23年2月期の通期連結決算も、売上高945億円(前期比41.1%増)、営業利益264億円(同67.1%増)、純利益214億円(同66.7%増)と好調だった。この「稼ぐ力」の高さが、従業員の高年収につながっているとみられる。

 2位は、「ユニクロ」「ジーユー」などのアパレル会社を傘下に持つ持ち株会社、ファーストリテイリング。平均年収は959.4万円、平均年齢は38.0歳という結果だった。

 東京都港区赤坂の「ミッドタウン・タワー(六本木本部)」で実務を行っているファーストリテイリングだが、実は、登記上の本店所在地は山口県山口市である。同社の前身となる紳士服店を、現代表取締役会長兼社長・柳井正氏の父(等氏)が1949年に開業。

91年に現社名に変更し、98年に本社を山口市に移転した経緯がある。

3位はベネッセHD
4位はいよぎんHD

 3位は、ベネッセホールディングス(平均年収940.5万円、平均年齢46.3歳)。教育大手のベネッセコーポレーションなどを傘下に持つ持ち株会社だ。実はベネッセHDも、東京都ではなく岡山県岡山市に本社を置いている。

 ベネッセの前身は、中学校向けの図書や生徒手帳などを発行する福武書店(1955年創業)だ。その後、高校生向け模擬試験や通信教育などに参入して事業を多角化し、1995年に社名をベネッセコーポレーションに変更。

2009年に持ち株会社制に移行した。

 4位は、いよぎんホールディングス(平均年収939.3万円、平均年齢41.5歳)。愛媛県に根差した地方銀行、伊予銀行を傘下に持つ持ち株会社だ。本店所在地はもちろん、県庁所在地の松山市となっている。

 5位は、中国電力(平均年収809.0万円、平均年齢42.3歳)。言わずと知れた、中国地方などを供給区域とする電力大手だ。

本社所在地は、広島県広島市である。

 なお6位以下には、大手自動車メーカーのマツダや、カフェチェーン「サンマルクカフェ」の運営企業を子会社に持つサンマルクホールディングスといった身近な企業がランクインしていた。また、山口フィナンシャルグループ、山陰合同銀行、四国電力などの金融機関や電力会社も含まれていた。

 ランキング完全版では、6位以下98位までの社のデータを掲載している。中国・四国地方を拠点とする著名企業の順位と平均年収は、どうなっているのか。ぜひ、チェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)