いよいよ夏の高校野球が始まる。今年は第106回の大会だ。
一番「勝ってる」高校はどこ?
今年も8月7日から夏の全国高校野球選手権大会、いわゆる夏の甲子園が始まる。試合中の給水タイムは浸透し、今年はさらに暑さ対策として1回戦のうち、1日3試合の3日間、午前と夕方からの2部制で実施することが決まっているなど、甲子園も時代に応じて変化している。
それではベスト5にはどの学校が入ったのか、ランキングを下位から順に見ていこう。
4位と5位には出場歴の長い伝統校がランクイン
5位はPL学園高(48勝13敗)。こちらは学校の創立が戦後の1955年で、甲子園初出場が1962年。1970年夏に早くも準優勝すると、以後平成中盤までその名を全国にとどろかせた。
とくに、1970年代後半から1980年代にかけての10年間は、無敵も思われる強さを発揮した。しかも甲子園で勝つだけではなく、次々とプロ入りして各球団の中心選手として活躍するなど、高校野球の盟主の座に君臨していた。
その破竹の勢いから、あらゆる記録を塗り替えるかと思われていたが、内部事情で専任監督が不在となり、2016年夏の府大会を最後に休部、翌17年には高野連を脱退した。現在再開のめどは立っておらず、やがてベスト10からも消えそうだ。
続く4位は天理高(49勝27敗)。野球部自体は戦前から予選に参加していたが、甲子園に出場したのは1954年の春が最初、夏の大会は1959年が初めてだ。以来一貫して一定の力を保ち続け、近年も2017年夏と2021年春にベスト4に入っている。
では、夏の通算勝利数のベスト3を紹介しよう。
2位の龍谷大平安高は当分2位を維持する見込み
第3位は松山商(56勝21敗1分)。夏だけで優勝4回、準優勝3回、「夏将軍」という異名をとるほど夏に強かったが、2001年夏にベスト4に進んだのを最後に20年以上甲子園に出場できず、今夏も県大会準々決勝で姿を消した。4位の天理高が7勝差まで詰めてきており、このまま未出場が続くと逆転されそうだ。
なお、松山商は戦後のごく一時期、松山東高に吸収されて同校の商業科となっていた。その間の1950年夏には松山東高として甲子園に出場し全国制覇している。このときの4勝を加えると通算は60勝となる(本稿では松山東高としてカウント)。また1分とあるのは、1969年夏の決勝戦の三沢高との延長18回引き分け再試合である。
第2位は龍谷大平安高(61勝31敗)。
今年の初戦で史上初の「夏の大会100試合」達成
夏の大会で全国最多の勝ち星を誇るのは、多くの通算記録部門でトップに立つ中京大中京高(78勝21敗)。夏の通算勝利78勝は2位に17勝もの大差がある。1大会では優勝しても最大6勝しかできないため、当分1位の座は安泰だろう。
戦前から、中京商、中京高、中京大中京高と名前を変えながら、一貫して全国トップクラスの実力を保ち続けている。そのため、第1回大会の頃から活躍していると思っている人も多いが、実は同校が創立されたのは、第9回大会が行われた1923年。大会当初にはまだ創立されていなかった。
しかし、1931年に初めて甲子園に出場すると、いきなり夏の大会で全国制覇、しかもそこから空前の3連覇を達成した。以来、平成初期に一時低迷したが、2009年夏にも全国制覇するなど、現在でもその勢いは衰えていない。
ちなみに現在まで夏の通算試合数は99試合。今年も出場を決めており、初戦で史上初の夏の大会100試合を達成する。