コロナ禍を脱し、日経平均株価が過去最高値を記録するなど経済が大きく変わろうとしている。そんな中、主要企業はどの大学から学生を採用したのか。
早稲田、慶應義塾が1位
1990年代以降、携帯電話が爆発的に普及。2010年代にはスマートフォンが拡大し、その波に乗ってドコモグループ、KDDI、ソフトバンクの大手通信キャリア3社は業績を伸ばしてきた。
だが、令和に入り、総務省が通信料値下げの方針を打ち出したことで、通信事業者はモバイルだけの収益に頼ることなく新しいビジネス展開を模索している。主力の通信事業では利益を確保しにくい環境にあるため、各社とも通信以外の金融やDX(デジタルトランスフォーメーション)などの事業を強化している。
他にも、農業などで地域活性化を進める地方創生に参入したり、顧客のシステム開発、生成AIなど海外の優れたツールを日本で拡販するSI(システムインテグレーター)のような展開をしたりする企業も出てきた。
22年の3大通信キャリアメーカーの採用大学ランキングを見ると、1位はドコモグループとKDDIが早稲田大学、ソフトバンクが慶應義塾大学だった。
果たして、23年のランキングに変化はあったのだろうか。
早慶がトップ2を独占次点で関関同立、MARCH
23年のランキングでは、ドコモグループは1位早稲田大学、2位慶應義塾大学、3位明治大学でトップ3は前年と同じだった。
KDDIは1位が早稲田大学で前年と同じだった。2位は慶應義塾大学(前年3位)、3位は横浜国立大学(同4位)がそれぞれ上昇した。
ソフトバンクは1位慶應義塾大学、2位早稲田大学、3位東京大学で、トップ3は前年と同じだった。
総じて見ると、早慶が3大通信キャリアで圧倒的な強さを見せていることがうかがえる。
通信業界では、金融分野への進出が増えている。また、モバイル事業の分野では、通信の枠を超えた独自の経済圏を作ろうとする異業種からの参入も見られる。
こうしたさまざまな分野への参入に伴い、デジタル人材の需要が増加している。通信事業者は特に、金融系の知識を持つITエンジニアの採用に力を入れており、銀行などの金融事業者との競争が激しくなっている。
技術開発では理系の知識が重宝されるイメージがあるが、実は文系の知見が生かせる場面も多い。例えば、製品購入の際の「カスタマーエクスペリエンス」(顧客体験価値)では心理学的要素が必要とされ、コンプライアンスやリーガルテックには法学的知識が求められる。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。